子宮腺筋症から発生した内膜癌
- 子宮腺筋症の異所性内膜から稀に子宮内膜癌が発生することがある。
- その診断基準として、
- 子宮内膜は正常で明らかな病変が存在しないこと
- 筋層内の異所性内膜と癌病変の移行像
がある。
- よって、内膜浸潤を認めた場合はその診断基準から除外されるため、子宮腺筋症由来の内膜癌の全体の予後は不明。
- 早期は無症状のことが多い。内膜組織診にて陰性と診断され、早期診断が困難。よって、画像診断の担う役割は大きい。
- 腫瘤の充実部分が①Gd造影T1WIで強調される、②著明な拡散低下を示す、③FDG−PETで局所的な高集積を示す、などの所見が認められた場合、悪性病変の可能性が示唆される。
画像所見
- MRIでは、T2強調像で子宮腺筋症の低信号域の中に中等度の信号領域が出現した場合、拡散強調像で等信号の腺筋症の中に高信号域が出現した場合は、内膜癌の発生を疑う必要がある。
- また、FDG-PETでは、腺筋症は、月経期排卵期以外は淡く集積を認めるのみ。よって、月経周期を参考に、MRIで指摘された腺筋症内に部分的に強い集積を認めた場合、内膜癌の発生を強く疑う重要な所見になりうる。