関節リウマチにおける頚椎の変化
・確定されたRAでは 70~80%と高頻度になんらかの頚椎病変がある。
・進行性、多発性、破壊性の特徴を有している。
・しかし、頚椎に異常所見を認めても症状がない場合も多い。
・環軸関節は、荷重関節である左右外側環軸関節、および歯突起前面と環椎前弓後面との環椎歯突起関節、歯突起後面と横靭帯前面との靭帯歯突起関節により構成される。いずれも滑膜関節である。
・歯突起周囲の滑膜炎やパンヌス(pannus)形成による歯突起侵食、滑膜炎の靭帯への波及による靭帯脆弱化が環軸椎亜脱臼を惹起する。
・上位頚椎では、この環軸椎亜脱臼に遅れて側方の椎間関節の磨耗が起こり、歯突起の上方偏位(垂直性亜脱臼)に至る。次いで、中下位頚椎で動きを代償するようになり、中下位頚椎での亜脱臼が生じる。
・胸腰椎が侵されることは少ない。
関節リウマチにおける頚椎の画像所見
・環軸椎亜脱臼やパンヌスは、頭蓋頚椎移行部で狭窄をきたし, MRIはその脊髄圧迫の評価に有用。
・歯突起前後や外側環軸関節の滑膜炎によって歯突起の細小化など、環軸関節の破壊、横靭帯の弛緩や断裂がみられる。
・歯突起周囲のパンヌスは、関節内の滑膜細胞層上の炎症性滲出物質。これには,富 血管性(65%)、線維性(25%)、乏血管性(9%)があり、T2強調像でそれぞれ高信号、低信号、中間信号を呈する。