Verga腔、透明中隔腔
- 透明中隔は脳梁上部で、両側側脳室を隔てる板状構造。
- これが閉鎖せず嚢胞状に残存することがある。
- Monro孔を越えて背側に広がる場合をVerga腔(cavum Vergae)、越えない場合を透明中隔腔(cavum septum pellucidum)と呼ぶ。
- 透明中隔腔がMonro孔より背側へ進展したものをVerga腔といい、両者は互いに交通している。
つまり、透明中隔腔のみということはあれど、Verga腔のみということはないVerga腔があるときは基本的には必ず透明中隔腔もあるということです。
- ただし、Verga腔単独例の報告もあるが、基本的に透明中隔腔を伴わないVerga腔は存在しない。(透明中隔腔のみのことはある。)
- 成人2〜4%でスリット状の透明中隔腔、あるいはさらに大きくなり、透明中隔嚢胞と呼ばれる構造を形成することがある。
- Verga腔自体は通常症状を伴わないが、透明中隔腔では、頭痛、悪心、嘔吐、てんかん、めまい、易怒性、食欲低下、排便障害、睡眠障害などの大脳辺縁系障害の報告がある1)。
症例
FLAIR像の横断像です。
側脳室の間に腔を認めています。
透明中隔腔を疑う所見です。
症例 30歳代男性 スクリーニング
FLAIR像の横断像です。
側脳室の間に前後に伸びる腔を認めています。
前方が透明中隔腔を疑う所見、後方がVerga腔を疑う所見です。
動画でチェックする。
脳室間腔(中間帆腔)
- 透明中隔腔、Verga腔と合せて正中余剰腔(正常変異、normal variant)と考えられている。
- 脳室間腔(cavum velum interpositum)は横断像にて、脳梁膨大部を底辺としてMonro孔後縁に頂点を結ぶ三角形を呈する。
- Verga腔とは異なり、最前部はMonro孔よりも前方へは進展しないのが特徴。
- また、Verga腔は脳弓の上に位置し、脳室間腔は脳弓の下に位置する。
- 10歳以下では3割に認めるが、加齢とともに減少する。
症例
FLAIR像の横断像です。
脳梁膨大部を底辺としてMonro孔後縁に頂点を結ぶ三角形の腔あり。
脳室間腔を疑う所見です。
動画はこちら。
1)Rev Argent Radiol 79:80-85,2015