
症例8
【症例】90歳代 男性
【主訴】異物誤飲
画像はこちら
異物誤飲ということで、咽頭から喉頭、食道と追っていくと、、、、
頸部食道に横たわる異物があることがわかります。
異物の背側に類楕円形のairを認めていますが、頸部食道内のairと思われます。
ですので、異物のみをイラストで表すとこんな感じであることがわかります。
これはズバリ、薬の包装シート、いわゆるPTP(press through pack)です。
※写真は例です。
診断:PTP誤飲(頸部食道にあり。)
その後、頚部に合わせて冠状断像、矢状断像が作成されました。
冠状断像、矢状断像でより明瞭に見えますね。
※内視鏡で取り出されました。
その他所見:
- 動脈硬化あり。
- 両側腎嚢胞あり。
- 右鼠径ヘルニア(内容物は大網のみ)あり。
症例8の動画解説
今日は以上です。
今回の気づきや感想などを下のコメント欄にお願いします。

あ~・・・、これですか・・・
たしかにそのあたりに違和感があったかなかったかでいえば、
あった、になるんでしょうか…(-_-;)
実際には「異物」の内容や誤飲の時間が分かるので多少ヒントは増えるのかもしれませんが、
もう少し注意深く読めるようにしたいです(*’▽’)
高齢者が誤飲するものに薬剤は少なくなさそうですが、
今回の像に名前とかはあったりしますか?
「二重四角形サイン」みたいな・・・笑
アウトプットありがとうございます。
>「異物」の内容や誤飲の時間が分かるので多少ヒントは増えるのかも
おっしゃるとおりですね。
その辺の情報を今回非提示にしました(^_^;
症例50の復習です。
>今回の像に名前とかはあったりしますか?
「二重四角形サイン」みたいな・・・笑
聞いたことがないですが、探せば出てくるかも知れません(^▽^)
いつもありがとうございます。
昔ptp誤飲の検査方法としてレントゲンが推奨されていたのをみて、「無理だ」と思い検証したことがありました。その時ptpの種類を調べpcvとppにわけ検討しました。pvcは今回提示されたように映り、ppはctでも高吸収に見えませんでした(黒ぬけの直線をさがさないといけない)。今回の提示をみてあらためて検索したところ素材の種類も増えており、挙動を知っておかないと怖いと思いました。当院のプロトコルは誤飲→誤飲のシート種類を調べる→ctでの探す物質を探す となっているのですが再検討します。
全般的には映るものが増えているようですが・・・ 長文すいませんでした
アウトプットありがとうございます。
>ppはctでも高吸収に見えませんでした(黒ぬけの直線をさがさないといけない)。
これが問題ですね。
>当院のプロトコルは誤飲→誤飲のシート種類を調べる→ctでの探す物質を探す となっているのですが再検討します。
全般的には映るものが増えているようですが・・・
なるほどです。
まずシートの種類を調べる必要があるわけですね。参考になります。
今日もありがとうございます。
PTP誤飲何例か経験したことがあります。胸部不快感や胸背部痛を訴えるも本人はPTPを誤飲したことに気づいておらず….
消化管を追う癖大切ですね笑
アウトプットありがとうございます。
>胸部不快感や胸背部痛を訴えるも本人はPTPを誤飲したことに気づいておらず….
症例50もそうですが、本人が気付いていないというパターンはなかなか難しいですね!!!
誤飲といえば、PTP、入れ歯、電池、小さい玩具などが浮かびます。
過去に歯ブラシを丸々飲み込んだ症例に遭遇したことがあります(胸部中-下部食道内にあった)。
通常では考えられないものも可能性として考えないといけないのだと感じた症例でした。
*CTでばっちり形が見えました
アウトプットありがとうございます。
>PTP、入れ歯、電池、小さい玩具
重要ですね。
>歯ブラシを丸々飲み込んだ症例
異物誤飲はいろいろありますね。
口からじゃなく、肛門から入れる症例もたまにありますね・・・・(^_^;
お世話になっています。
今回の症例では、穿孔を示唆するような所見はありませんが、もし穿孔がある場合、外科的処置となるのでしょうか?それとも、内視鏡で取り除くことができるのでしょうか?
アウトプットありがとうございます。
>穿孔がある場合、外科的処置となるのでしょうか?それとも、内視鏡で取り除くことができるのでしょうか?
穿孔がある場合は、外科的処置になります。
今回のようにない場合は、内視鏡の絶対的適応のようですね。
http://www.saitama-med.ac.jp/jsms/vol37/01/jsms37_011_014.pdf
確かに食道に違和感は覚えましたが,正常構造?かどうかが判断できずに流してしまいました.引っかかりやすいところなども意識して読影すべきなのかもしれませんね.
アウトプットありがとうございます。
PTPがこのように見えることがあるということを症例50と合わせて復習しておいてください。
今回は冠状断像(問題では非提示)があれば一目瞭然ですね。
今回は異物誤飲という前情報もあり、部位が食道かつ薬剤がパッケージ内にあったため特定しやすかったです。以前食後に空PTPを誤飲した方でCTの読影も内視鏡での除去もやや難渋した症例がありました。
axial像で尿膜管遺残があるように見えたのですが気のせいでしょうか?
アウトプットありがとうございます。
>空PTPを誤飲した方でCTの読影も内視鏡での除去もやや難渋した症例がありました。
内部に薬が残っていないケースは同定しにくいですね。
>axial像で尿膜管遺残があるように見えたのですが気のせいでしょうか?
おっしゃるように少しあるかも知れません。
誤飲の場所を見つけることはできましたが直線が魚の小骨だと思ってしましました。今後実際にPTPの誤飲が来た時にこの症例を思い出したいと思います。
アウトプットありがとうございます。
今回は内部の薬剤が残った状態での誤飲でしたので同定が割としやすいですが、
残っていない場合はそれこそ直線のみのケースがあり、指摘が困難なことがあります。
いつもありがとうございます。
今回はなんとか同定できました。
誤飲したという前情報がなかったら、同定は難しかったと思います…なにか誤飲に気がつくきかっけがあれば良いのですが…
アウトプットありがとうございます。
>誤飲したという前情報がなかったら、同定は難しかったと思います
おっしゃるとおりです。よほどでないと気付かないですね(^_^;
倍率を上げると確かに四角形が二重に見えるような像ですが、
やっぱり、その目で見るとって感じで、難しいですね(^-^;
前情報重要ですね(^▽^)/
最重要質問を忘れていました(^-^;
写真のタリオンは先生自身の内服薬ですか?
花粉症ですか(^▽^)/?
最重要質問にお答えします。
おっしゃるとおり私のものですがかなり前に処方されたものです。
鼻閉がつよいので、耳鼻科の先生に相談して今はディレグラという薬を飲んでいます(^_^;
アウトプットありがとうございます。
>前情報重要ですね(^▽^)/
そうですね。エピソードがわからないとなかなか指摘は難しいですね。
いつも綺麗な画像ありがとうございます。
最近はPTP包装シートには誤飲防止のため、1つずつに切り離せないよう、あえて横又は縦の一方向のみにミシン目が入っていることから、今後は誤飲例が減っていくのでしょうか。厚生労働省から注意喚起が出ていますね。
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000rwgy-img/2r9852000000rwif.pdf
以前内視鏡的に取り除いた際に2個連続して誤飲していたケースがありましたので、取り出した後も再度挿入して残りがないかチェックする必要があります。
アウトプットありがとうございます。
>最近はPTP包装シートには誤飲防止のため、1つずつに切り離せないよう、あえて横又は縦の一方向のみにミシン目が入っている
あれはそういう意図があったのですね・・・・。
>以前内視鏡的に取り除いた際に2個連続して誤飲していたケースがありましたので、取り出した後も再度挿入して残りがないかチェックする必要があります。
貴重な体験談ありがとうございます。
2個連続とは大胆(?)ですね。
1つ見つけて安心するなということですね。
横断面ではこのPTPは横向きで、食道の壁に食い込んでいる様に見えますが、矢状断像では縦長のように見えます。引っかかっているだけでしょうか。
右傍気管嚢胞はありませんか?(36,37,39,40/142)
アウトプットありがとうございます。
引っかかっているだけだと考えます。
>右傍気管嚢胞はありませんか?(36,37,39,40/142)
傍気管嚢胞はあるならば、28〜29辺りに認めるのが普通です。
今回は認めていないようです。
(コメント反映されているようでよかったです。)
coronal,sagitalの画像が欲しくなりますね。
90歳という年齢から、裏情報として認知症が隠してあって主訴自体の信用性が怪しくて・・・という裏の裏の裏あたりまで考えた出題とか思ってしまいました(苦笑)
アウトプットありがとうございます。
>裏情報として認知症が隠してあって主訴自体の信用性が怪しくて・・・という裏の裏の裏あたりまで考えた出題とか思ってしまいました(苦笑)
つまり、そもそも異物誤飲はないという結論ですか(^_^;)
確かに、たまに誤飲した「かもしれない」という主訴で来られる方がおられますね。
間違いなく誤飲したのなら必死で探しますが、「かもしれない」と言われると必死度が落ちますね・・・。
おっしゃるように矢状断像や冠状断像も観察したい症例ですね。