先に結論:気管支原性嚢胞のCT・MRI

  • 気管支原性嚢胞は、胎児期の気管支の芽の名残でできる生まれつきの嚢胞で、気管分岐部のまわり(中縦隔)に多く、肺の中にできることもあります。多くは無症状ですが、感染・出血で大きくなることがあります
  • 中身が粘液や蛋白のため、CTでは水より濃く(高吸収)見えて充実性腫瘍と間違えやすいのが特徴です。造影されないことと、MRIのT2強調像で強く白いことで嚢胞と確認できます
  • 症状があるもの・大きくなるものは手術で切除します

気管支原性嚢胞(bronchogenic cyst)

  • 食道重複嚢胞や神経腸管嚢胞などと同様に前腸(foregut)に由来し、その中で最も頻度が高い。
  • 多くは縦隔(特に中縦隔)に発生し、肺内などの縦隔外にも生じる。
  • 気管分岐部周囲に好発し、壁は呼吸上皮で覆われ、壁内に軟骨がある場合に診断が確定する。
  • 稀に出血、感染によりサイズ増大、周囲臓器への圧排所見を呈することがある。

気管支原性嚢胞の画像所見

  • 通常CTでは水〜気管支分泌物に相当する低吸収値〜比較的高吸収を示す(気管支原性嚢胞は比較的高吸収を呈しやすい)。長く貯留した粘液は水分の再吸収と蛋白濃度の上昇により、CT値が20HUを超え、130HUに達することもあります。蛋白濃度が高いとT1緩和時間も短くなり、T1強調像で高信号となります。
  • MRIではT2WIで著明高信号、T1WIではその成分により低〜高信号。凝血塊や蛋白成分の沈殿により内部に液面形成を認めることあり。CTで軟部組織濃度を示し充実性腫瘤と紛らわしい例でも、T2強調像で著明な高信号を示せば嚢胞と判断できる。
  • 鑑別は、胸腺嚢胞、心膜嚢胞、嚢胞性奇形腫など。画像のみでは鑑別困難なことも多い。

症例 12歳女児 咳

気管支原性嚢胞 造影CT 横断像
引用:Radiopaedia(Mediastinal bronchogenic cyst)

右肺門部の縦隔に接して、右胸腔内へ張り出す大きな境界明瞭な嚢胞性腫瘤があります。内部は均一な水の濃度で、壁は薄く、石灰化や造影される充実部分はありません。

関連記事:縦隔嚢胞性疾患のCT・MRI画像所見|気管支原性嚢胞・心膜嚢胞・胸腺嚢胞

参考文献

  1. McAdams HP, Kirejczyk WM, Rosado-de-Christenson ML, et al. Bronchogenic cyst: imaging features with clinical and histopathologic correlation. Radiology. 2000;217(2):441-6. PubMed
  2. Jeung MY, Gasser B, Gangi A, et al. Imaging of cystic masses of the mediastinum. Radiographics. 2002;22 Spec No:S79-93. PubMed
  3. Gaeta M, Vinci S, Minutoli F, et al. CT and MRI findings of mucin-containing tumors and pseudotumors of the thorax: pictorial review. Eur Radiol. 2002;12(1):181-9. PubMed
  4. Kawaguchi M, Kato H, Hara A, et al. CT and MRI characteristics for differentiating mediastinal Müllerian cysts from bronchogenic cysts. Clin Radiol. 2019;74(12):976.e19-976.e25. PubMed

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