先に結論:顔面骨骨折の分類
- 顔面骨骨折は、単独の骨折(鼻骨・上顎洞・前頭洞など)と、複数の骨にまたがる骨折(鼻篩骨眼窩骨折・頬骨上顎複合骨折・Le Fort骨折)に分けると整理しやすくなります
- Le Fort骨折は I型(上顎の歯の上で水平に)、II型(鼻の付け根を通るピラミッド型)、III型(顔面全体が頭蓋から分離)に分かれ、いずれも翼状突起の骨折を伴います
- NOE骨折は鼻骨・篩骨・眼窩内側壁にまたがる骨折で、内眼角靱帯の付着部の損傷の程度で分類します。ZMC骨折は頬骨の4つの縫合がすべて離れる骨折です
- 評価は薄いスライスのCTと3D画像が基本で、眼窩・視神経管・頭蓋底への広がりも確認します
顔面骨骨折、頭蓋骨骨折の分類がややこしいので、まとめてみました。
骨折骨の個数による分類(nasal and paranasal sinus fracture)
単独骨折型
- 前頭洞骨折
- 鼻骨骨折
- 上顎洞骨折
複合骨折型
- 鼻篩骨眼窩骨折(NOE : Nasal-Orbital-Ethmoidal fx)
- 頬骨上顎複合骨折(ZMC : Zygomaticomaxillary complex fx)
- Le Fort骨折(Ⅰ〜Ⅲ型)
臨床的分類
顔面中央部骨折
- 顔面中央部中心部骨折:Le Fort骨折(Ⅰ〜Ⅲ型)、鼻篩骨眼窩骨折。Le Fort骨折はいずれも上顎後方で翼状突起の離断を伴い、Ⅰ〜Ⅲ型が組み合わさって起こることもあります。ただし近年は、Le Fort分類は大まかな枠組みにとどまり、鼻・鼻篩骨眼窩(NOE)・眼窩・頬骨上顎複合・上顎咬合部といった部位(サブユニット)ごとに骨折を評価して治療方針を決める考え方が主流になっています。前頭洞後壁に及ぶ骨折は前頭蓋窩への交通となり、髄液漏や頭蓋内感染の原因になり得るため、必ず確認します。
- 顔面中央部外側部骨折
- 上顎洞単独骨折
- 前頭洞単独骨折
鼻篩骨眼窩骨折(NOE骨折)とは
- 眼窩内側壁・鼻骨・篩骨洞にまたがり、しばしば内眼角靱帯の付着部に及ぶ骨折です(Winegar 2013)。
- 内眼角靱帯の付着部がどの程度傷ついているかで分類されます。鼻前頭管の断裂は粘液瘤の原因になるため確認します(Hopper 2006)。
頬骨上顎複合骨折(ZMC骨折)とは
- 頬骨の4つの縫合がすべて離断する骨折で、眼窩外側壁が傾くと眼窩の容積が増え、眼球陥凹の原因になります(Winegar 2013)。
顔面骨骨折でよくある疑問(Q&A)
Q. 顔の骨折はレントゲンで分かりますか?
A. 顔面外傷の評価はCTが第一選択です(Winegar 2013)。顔を強くぶつけて鼻血・目の周りの腫れ・ものが二重に見えるなどがあれば医療機関を受診してください。
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参考文献
- Hopper RA, Salemy S, Sze RW. Diagnosis of midface fractures with CT: what the surgeon needs to know. Radiographics. 2006;26(3):783-93. PubMed
- Lo Casto A, Priolo GD, Garufi A, et al. Imaging evaluation of facial complex strut fractures. Semin Ultrasound CT MR. 2012;33(5):396-409. PubMed
- Dreizin D, Nam AJ, Diaconu SC, et al. Multidetector CT of Midfacial Fractures: Classification Systems, Principles of Reduction, and Common Complications. Radiographics. 2018;38(1):248-274. PubMed
- Winegar BA, Murillo H, Tantiwongkosi B. Spectrum of critical imaging findings in complex facial skeletal trauma. Radiographics. 2013;33(1):3-19. PubMed
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