先に結論:クラミジア肺炎(肺炎クラミジア・オウム病)

  • 肺炎クラミジア(C. pneumoniae)は人から人へうつり、長引く乾いた咳が特徴の軽い肺炎・気管支炎を起こします
  • オウム病(C. psittaci)は鳥の糞から感染し、高熱・呼吸不全・肝障害など重症化しうる肺炎です。鳥との接触歴を確認します
  • 画像に特異的な所見はなく(肺炎クラミジアは気管支肺炎、オウム病は浸潤影が多い)、診断は抗体・PCRで行い、テトラサイクリン系・マクロライド系で治療します(菌名は現在Chlamydiaに戻されています)

クラミジア肺炎(肺炎クラミジア)

3つに分けられる。

  1. Chlamydia pneumoniae(クラミジア・ニューモニエ)
  2. Chlamydia psittaci(クラミジア・シッタシ)
  3. Chlamydia  trachomatis(トラコマティス)

①C.pneumoniae

飛沫感染。乾性咳嗽、軽度発熱。

・感染しても上気道炎や気管支炎などの風邪症候群までにとどまることが多く、肺炎は軽症。遷延する咳嗽が特徴。

・画像は気管支肺炎の形をとることが多いとされるが、所見は多彩(下の表)。

・確定診断は血清抗体(MIF法が推奨されている)やPCR法(Dowell 2001)。

②C.psittaci

・病鳥の排泄物にあり、これを吸入して感染すると、急な発熱と咳嗽でクラミジア・シッタシ肺炎(オウム病)が発症する。

・呼吸不全、肝障害、DICなどを来しうる激烈な肺炎。→常に鑑別診断に入れよ。・57研究のメタ解析では、オウム病は市中肺炎の約1%(1.03%、研究により0〜6.7%)の原因とされる。多くの市中肺炎は原因検査なしに治療されるため、鳥との接触歴を聞かないと見逃されやすい。

・画像は肺胞性肺炎(浸潤影)が主体(Fang 2026)。

・確定診断は、MIF法による血清抗体値測定。次世代シーケンス(NGS)で見つかる例も報告されています(Lu 2024)。

・治療は①②ともに、テトラサイクリン系、マクロライド系、ニューキノロン系など。

関連記事)クラミジア肺炎の原因から診断、治療まで!

画像所見

▶CT所見:

・オウム病に特異的な所見はない。・肺炎クラミジア肺炎24例の薄層CTでは浸潤影(20例)・結節(18例)・気管支血管束肥厚(17例)が多く、肺炎球菌やマイコプラズマ肺炎と重なる多彩な所見を示した(Nambu 2006)。

病原体 CTで多い所見
肺炎クラミジア すりガラス影(40例中38例)・細葉性陰影(28例)。マイコプラズマより小葉中心性粒状影・気管支壁肥厚が少ない(Okada 2005)
オウム病 浸潤影(100%)・すりガラス影(97.8%)・気管支透亮像(81.2%)(Fang 2026)

▶胸部X線(レントゲン):

・X線にもCTにも特有の所見はなく、画像だけで原因菌は決められない。抗体・PCRなどで確かめる。

症例 10歳代女性(肺炎クラミジア肺炎)

肺炎クラミジア肺炎 CT
引用:Radiopaedia(Chlamydia pneumonia)

1週間続く咳と痰で受診し、気管支肺胞洗浄液の遺伝子検査で肺炎クラミジアが見つかった例です。右中葉に気管支透亮像を伴う浸潤影があり、気管支を中心としたすりガラス影が多発し、一部で気管支壁の肥厚も見られます。所見は非特異的で、画像だけで原因菌は決められません。

クラミジア肺炎でよくある疑問(Q&A)

Q. クラミドフィラとクラミジアは違う菌?
A. 同じ菌です。一時Chlamydophila属とされましたが、Chlamydia属にまとめる提案がされました(Sachse 2015)。

Q. オウム病を疑うきっかけは?
A. 鳥との接触歴です。186例の68.3%に接触歴がありました(Fang 2026)。長引く咳や高熱があれば医療機関を受診してください。

参考文献

  1. Sachse K, Bavoil PM, Kaltenboeck B, et al. Emendation of the family Chlamydiaceae: proposal of a single genus, Chlamydia, to include all currently recognized species. Syst Appl Microbiol. 2015;38(2):99-103. PubMed
  2. Nambu A, Saito A, Araki T, et al. Chlamydia pneumoniae: comparison with findings of Mycoplasma pneumoniae and Streptococcus pneumoniae at thin-section CT. Radiology. 2006;238(1):330-8. PubMed
  3. Lu Y, Gai W, Li M, et al. Psittacosis Pneumonia Features, Distinguishing Characteristics, and Outcomes: A Retrospective Study. Infect Drug Resist. 2024;17:5523-5533. PubMed
  4. Hogerwerf L, DE Gier B, Baan B, et al. Chlamydia psittaci (psittacosis) as a cause of community-acquired pneumonia: a systematic review and meta-analysis. Epidemiol Infect. 2017;145(15):3096-3105. PubMed
  5. Metlay JP, Waterer GW, Long AC, et al. Diagnosis and Treatment of Adults with Community-acquired Pneumonia. An Official Clinical Practice Guideline of the American Thoracic Society and Infectious Diseases Society of America. Am J Respir Crit Care Med. 2019;200(7):e45-e67. PubMed
  6. Okada F, Ando Y, Wakisaka M, et al. Chlamydia pneumoniae pneumonia and Mycoplasma pneumoniae pneumonia: comparison of clinical findings and CT findings. J Comput Assist Tomogr. 2005;29(5):626-32. PubMed
  7. Fang C, Zhang Y, Zhang A, et al. Clinical Features of 186 Cases of Chlamydia psittaci Pneumonia: A Multicenter Study. Infect Drug Resist. 2026;19:563892. PubMed
  8. Dowell SF, Peeling RW, Boman J, et al. Standardizing Chlamydia pneumoniae assays: recommendations from the Centers for Disease Control and Prevention (USA) and the Laboratory Centre for Disease Control (Canada). Clin Infect Dis. 2001;33(4):492-503. PubMed

画像診断を無料で学べるコンテンツ

腹部画像診断を症例で学ぶ
無料講座

腹部画像診断を症例で学ぶ

4日に1回、朝6時に症例が届き、実際に画像をスクロールして読影する講座です。90症例以上・1年以上続く講座で、医師・医学生・放射線技師・看護師など10,000名以上が参加中です。

講座に参加する(無料) →
胸部レントゲンの正常解剖を31日で
無料講座

胸部レントゲンの正常解剖を31日で

1日3分、全31日で胸部レントゲンの正常解剖の基礎を学ぶ参加型の講座です。全日程に簡単な動画解説が付いています。

講座に参加する(無料) →
画像診断LINE公式アカウント
登録特典あり

画像診断LINE公式アカウント

新しい企画やモニター募集のお知らせを配信しています。登録すると特典として、脳の血管支配域のミニ講座に無料で参加できます。

LINEで友だち追加 →