髄外造血(extramedullary hematopoiesis)
・骨髄造血細胞の再生が不十分なときの代償性反応。
- 先天性溶血性貧血:サラセミア、鎌状赤血球症、遺伝性球状赤血球症
- 後天性骨髄置換性疾患:骨髄線維症、真性多血症、癌・白血病・悪性リンパ腫による骨髄置換
・肝、脾、胸部傍脊椎領域に多い。
・通常、微視的なびまん性浸潤の形。肝、脾に限局性腫瘤としてみられることは稀。
・脾の限局的髄外造血巣は単発性のことも多発性のこともある。
髄外造血の画像所見
・限局性髄外造血巣は造血能と脂肪・鉄沈着量が画像に反映
▶CT所見:
・わずかに低吸収、軽度の造影効果
▶MRI所見:
・信号強度は造血能と脂肪・鉄沈着量に依存。
・活動性の新しい造血巣は、赤血球性および骨髄球性の未熟あるいは成熟細胞より成る。
- T1強調像:中間信号、T2強調像:高信号、造影MR:軽度濃染
・非活動性の古い病変は、脂肪組織と多量の鉄沈着を伴う。
- T1強調像およびT2強調像:低信号(鉄沈着)あるいは高信号(脂肪浸潤)
・chemical shift imagingで鉄あるいは脂肪を反映。