メトトレキセート関連リンパ増殖性疾患(MTX-LPD:methotexate-associcated lymphoproliferative disorder)
- 低用量のMTX投与中に発生するリンパ増殖性疾患。
- 3~4割の症例でEBウイルス(Epstein-Barr virus:EBV)が関与するとされている。
- 組織像としては、DLBCL(diffuse large B-cell lymphma)やHL(Hodgkin lymphoma)が多い。
- EBVとの関連があり、HL(Hodgkin lymphoma)で陽性率が高い。
- 基礎疾患やMTXの投与歴情報がないと診断することが極めて困難。
- MTX投与中に、悪性リンパ腫に類似した腫瘤性病変や脳実質内病変が生じる。
- 好発臓器はリンパ節や50%以上に節外性病変。
- 節外性病変では、肺、皮膚軟部組織、頭頸部で方向が多い。腹部では腎臓、副腎、肝臓、消化管での報告がある。
- MTX投与を減量・中止すると病変が消退することがあるため、臨床情報交換が重要となる。
メトトレキセート関連リンパ増殖性疾患の画像所見
- 悪性リンパ腫やそのほかのリンパ増殖性疾患と類似する。
- 多発リンパ節腫大や、ほぼ均一でよく造影される腫瘤、脳実質内の血管周囲腔に沿うような点状・線状の造影効果といったものが、比較的遭遇しやすい。
- FDG-PETで高い診断能(感度90.2%、特異度97.4%)が報告されている。
関連記事:メトトレキサート脳症(MTX脳症)のMRI画像所見
参考文献:頭部 画像診断の勘ドコロ NEO P240-1