胆石の存在部位による種類
胆石は存在部位により、
- 肝内結石
- 総胆管結石
- 胆嚢結石
に分けられますが、一般に胆石というと胆嚢結石を指すことが多いです。
胆石の組成による種類
胆石の種類は、主に
- コレステロール胆石
- 色素胆石
- 稀な胆石
に分けられます。
コレステロール胆石
・60〜70%と最多
・コレステロール胆石はさらに3つに分類されます。
- 純コレステロール石・・・CT値50HU以下
- 混成石・・・コレステロール石or混合石をCa塩が包み込んだもの
- 混合石・・・コレステロールと色素が混合したもの
色素胆石
- 黒色石・・・ビリルビン由来の複雑な重合体のCa塩
- ビリルビンカルシウム石・・・感染を伴う胆道で形成。CT値は50~150HUと中等度
まれな胆石
・ほとんどがCa塩を含み中等度以上のCT値を示します。
- 炭酸カルシウム石、
- 脂肪酸カルシウム石
- 他の混成石、
- その他
胆石症の画像所見
・単純CTで検出困難な胆石は、純コレステロール石の多くと混合石の一部だけ。
・胆嚢結石よりも胆管結石の方が、検出困難な胆石の割合が低い。つまり胆管結石の方がCTで見つかる頻度高い。
・ただし、造影CTをとると周囲のCT値が上昇するため、胆石検出率が低下する。なので、必ず単純CTも撮影する。
・総胆管結石は、胆石症の20%を占める。
・MRCPは胆管の描出に優れており、5mm以上の結石は描出可能なことが多いが、pneumobiliaのように胆道内にairが存在する場合は結石との区別が難しい。
症例 60歳代男性 総胆管結石
肝内結石
・成因は未だ不明。
・胆管における胆汁うっ滞とそれに伴う細菌感染の関与が指摘されている。
・形態的には胆管の狭窄と拡張の存在が考えられている。
・症状は長期間にわたる上腹部痛、熱発、黄疸。
・熱発時には胆管炎や肝膿瘍を生じていることがあり、注意を要する。
・大部分はビリルビンカルシウム石。コレステロール石が大部分を占める胆嚢結石とは異なる。このため、CTでは明瞭な高吸収。
・ただし、肝内石灰化を見た場合、肝内結石である頻度は低く、肝内胆管の拡張・狭窄、肝区域の萎縮など副所見を含めて診断する必要がある。