肩甲挙筋(けんこうきょきん: levator scapulae muscle)は、頸部と肩甲骨をつなぐ細長い筋肉で、肩甲骨の動きや首の姿勢維持に重要な役割を果たします。

背中全体にわたる筋肉は、大きく分けて表層、中層、深層の筋肉が存在しますが、肩甲挙筋はこのうち菱形筋群とともに中層に位置します。

肩甲挙筋のCT、MRI画像の解剖

胸部のCTやMRI画像を読む上で肩甲挙筋がどの場所にあるのか解剖をチェックしましょう。

解剖がよく理解できるように胸部(縦隔条件)の実際のCT画像の肩甲挙筋に色を付けてみました。

CTの横断像では以下の場所に肩甲挙筋があります。

肩甲挙筋は、CTの横断像で首の側面から肩甲骨上角に向かう細長い筋肉として確認されます。

自分でCT画像をスクロールしてコロコロ連続画像で見たい方はこちら→肩甲挙筋(levator scapulae muscle)のCT画像の解剖

肩甲挙筋の起始

  • 第1~第4頸椎の横突起:首の第1頸椎(環椎)から第4頸椎の横突起から起始します。

肩甲挙筋の停止

  • 肩甲骨の上角および内側縁の上部:肩甲骨の内側縁上部、特に上角付近に停止します。

肩甲挙筋の主な役割

  • 肩甲骨の挙上:肩をすくめる動作(肩甲骨を上に引き上げる)を担います。
  • 肩甲骨の内旋:肩甲骨を内側に回転させる動きを補助します。
  • 首の側屈と回旋:片側が収縮すると首を側方に倒し、両側が収縮すると首を後方に引きます。

肩甲挙筋の特徴

  • 位置:肩甲挙筋は僧帽筋の深層に位置し、菱形筋と連携して肩甲骨の動きを支えます。
  • 姿勢の保持:首や肩甲骨を安定させる役割を持ち、姿勢の保持に寄与します。
  • 動きの協調性:僧帽筋や菱形筋と連動して肩甲骨の動きをスムーズに調整します。

肩甲挙筋は、第1~第4頸椎の横突起から肩甲骨の上角に付着し、肩甲骨の挙上や内旋、首の側屈に関与します。肩甲骨と頸部を結ぶ筋肉として、姿勢の保持や肩の動きに不可欠な役割を果たします。肩こりや首の痛みの原因ともなりやすい筋肉です。

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