最後野(area postrema)とは?
- 読み方は「さいこうや」
- 第4脳室底に相当する脳幹の底部、特に延髄に位置する小さな領域のこと。
- 血液脳関門(BBB:Blood-Brain Barrier)が薄いため、体内の毒素や薬剤が直接感知されやすい場所として知られている。
- 特に嘔吐中枢として機能し、同部に病態が及ぶと激しい吐き気や嘔吐がおこり、これらはしばしば誤って他の消化器系の疾患と診断されることがある。
- 同部に病態が及び吐き気や嘔吐が起こることを最後野症候群といい、視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)でよく見られる。
視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)とは?
中枢神経系を攻撃する自己免疫疾患で、特に視神経と脊髄に損傷を与える。この疾患はアクアポリン-4抗体によって特徴付けられ、激しい視力障害や身体の感覚・運動機能の喪失を引き起こすことがある。
症例 20歳代女性 原因不明の吐き気と嘔吐
引用:radiopedia
最後野(area postrema)に相当する延髄背側に腫脹とFLAIRで高信号を認めます。
視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)による病変と診断されました。