de Quervain腱鞘炎/de Quervain病(デケルバン/ド・ケルバン)
- 急性もしくは反復性の外傷に伴い長母指外転筋腱、短母指伸筋腱に生じる狭窄性腱鞘炎(stenosing tenosynovitis)。(腱鞘炎とは、腱を包む滑膜組織である腱鞘に炎症を生じたもの)
- 30〜50歳代の女性(妊娠や出産時、更年期など)に多い。
- 母指の使いすぎによって生じることが多い。
- 手関節橈側の橈骨茎状突起レベルの疼痛や腫脹を認め、母指を外転、伸展や屈曲させると痛みが強くなる。
- 母指を屈曲しようとしても突然元に戻ることがあり、弾発母指(trigger thumb)と呼ばれる。
de Quervain腱鞘炎/病のMRI画像所見
- 長母指外転筋腱、短母指伸筋腱周囲に液体貯留を認めたり、髄鞘滑膜の肥厚を反映して、T2WIやSTIRで腱に沿った高信号を認める。
症例 60歳代女性
引用:radiopedia
長母指外転筋腱、短母指伸筋腱の肥厚および周囲に液体貯留を認め、重度の腱鞘炎を疑う所見です。
長母指外転筋腱、短母指伸筋腱の肥厚および周囲液体貯留を広い範囲に認めていることがわかります。
de Quervain腱鞘炎(デケルバン)と診断されました。
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参考文献:
- 骨軟部疾患の画像診断 第2版 P222-223
- 画像診断 Vol.39 No.6 2019 P570