先に結論:肩峰骨(os acromiale)
- 肩峰骨は肩峰の骨化中心が癒合せずに残った副骨で、腋窩(axillary)像やMRI・CTの横断像で見つけやすくなります
- 骨折と間違えないことが大切です
- 肩峰骨が動くと肩峰下インピンジメントや腱板断裂の原因になることがあるため、肩の痛みがある人では報告しておきます
肩峰骨(os acromiale)
- 骨の発生過程において二次骨化中心が癒合しないで残ったaccessory bone(過剰骨、副骨)の1つ。
- 肩峰骨(os acromiale)は肩甲骨の肩峰に存在するaccessory bone。
- 25歳未満の若い人では肩峰の骨化中心がまだ癒合途中のことがあり、骨端線と肩峰骨・骨折との見分けに注意する。15〜25歳の肩痛で肩MRIを撮った2372例では、2.6%に肩峰の骨端部の浮腫と癒合不全(acromial apophysiolysis)がみられ、週100球を超える投球が危険因子で、25歳以降の肩峰骨や腱板断裂の発生と関連していた(Roedl 2015)。
- 骨折により剥離した骨片と誤認しないように注意。
症例 30歳代女性

引用:Radiopaedia
肩峰突起と鎖骨の間に余分な小骨片を認めており、肩峰骨(os acromiale)を疑う所見。
頻度と分類
肩峰骨は肩峰の骨端の骨化中心どうしの癒合不全で生じる。23研究をまとめたメタ解析では、全体の頻度は7.0%、画像検査での頻度は4.2%、真の解剖学的頻度は9.6%と推定された(Yammine 2014)。アフリカ系では白人などに比べ約3倍多く、性別・左右差との有意な関連はなかった。結果は外傷説より遺伝的素因を支持している。一方、韓国の肩外来患者1,568例のX線検討では頻度は0.7%と低く、MRIで評価できた例では腱板断裂との有意な関連もみられなかった(Kumar 2013)。頻度は人種・集団によって大きく異なる。
- 分類は癒合しない骨化中心の位置により pre-acromion、meso-acromion、meta-acromion などに分けられる。
- 最も多いのは meso-acromion 型(76.6%)である。
- 肩峰骨の66.6%に変性変化を伴っていた。
画像所見のポイント
- メタ解析では、画像検査での頻度(4.2%)は真の解剖学的頻度(9.6%)より低く見積もられていた。
- 肩痛で肩MRIを撮像した100例では5例に肩峰骨が見られ、男女差はなかった(Koca 2022)。
臨床的意義
肩峰骨の多くは無症状で治療を必要としない。一方、肩痛の患者では鑑別の一つとなり、肩峰下インピンジメントに似た症状を示すことがある。症候性かどうかは、身体所見・単純X線・MRI・選択的注射を組み合わせて判断する。保存療法が無効な例、強い痛みと不安定性がある例、腱板断裂などの肩の病変を合併する例では手術が検討され、pre-acromion 型では切除、meso-acromion 型では内固定が選ばれることが多い(Spiegl 2018)。肩の痛みが続く場合は、整形外科などの医療機関に相談してください。
鑑別と落とし穴
- 腱板断裂などの肩の病変を合併する例は手術の適応になりうるため、肩峰骨を見つけたら腱板も評価する。
関連記事:臼蓋の副骨である臼蓋骨(Os acetabuli)の画像診断のポイント
参考文献:画像診断に絶対強くなるツボをおさえる! P138-40
- Yammine K. The prevalence of Os acromiale: a systematic review and meta-analysis. Clin Anat. 2014;27(4):610-21. PubMed
- Koca R, Fazlıogulları Z, Aydın BK, et al. Acromion types and morphometric evaluation of painful shoulders. Folia Morphol (Warsz). 2022;81(4):991-997. PubMed
- Kumar J, Park WH, Kim SH, et al. The prevalence of os acromiale in Korean patients visiting shoulder clinic. Clin Orthop Surg. 2013;5(3):202-8. PubMed
- Spiegl UJ, Millett PJ, Josten C, et al. Optimal management of symptomatic os acromiale: current perspectives. Orthop Res Rev. 2018;10:1-7. PubMed
- Roedl JB, Morrison WB, Ciccotti MG, et al. Acromial apophysiolysis: superior shoulder pain and acromial nonfusion in the young throwing athlete. Radiology. 2015;274(1):201-9. PubMed
画像診断を無料で学べるコンテンツ

腹部画像診断を症例で学ぶ
4日に1回、朝6時に症例が届き、実際に画像をスクロールして読影する講座です。90症例以上・1年以上続く講座で、医師・医学生・放射線技師・看護師など10,000名以上が参加中です。
講座に参加する(無料) →
