肝切除術
- 肝切除術は系統的切除術と非系統的切除術に大きく分けられる。
- 系統的切除術は区域や亜区域で切除するのに対して非系統的切除術は区域や亜区域は考えずに局所的な部分切除、核出術などが含まれる。
- ちなみに、区域・亜区域切除には肝区域の解剖学的知識が必要。
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系統的切除術
系統的肝切除術は
- 3区域切除
- 2区域切除
- 区域切除
- 亜区域切除
に分けられる。
■注意点
- 右3区域切除は右葉+内側区域(S4)を切除するもので拡大右葉切除術とも呼ばれる。
- 左3区域切除は左葉+前区域(S5,8)を切除するもので拡大左葉切除術とも呼ばれる。
- 中央二区域切除は右前区域(S5,8)、左内側区域(S4)を切除するもの。
- 亜区域切除は、Couinaud分類(クイノー分類)に準じた亜区域の切除で担癌Glisson鞘の切除を目標とする。
- 右葉切除以上or50〜60%以上の肝切除(胆道癌)術後肝不全予防のため、術前に切除側の経皮経肝的門脈塞栓術(PTPE:Percutaneous Transhepatic Portal vein Embolization))を施行する。
非系統的切除術
- 肝辺縁に位置する小さな腫瘍に用いられる手術。
- 腫瘍辺縁から1cm程度のマージンを取って切除する部分切除術や、腫瘍部のみをくりぬくように切除する核出術がある。
ちなみに肝区域(Healey&Schroyの分類)とCouinaud分類の関係
- 尾状葉:S1
- 前区域:S5,8
- 後区域:S6,7
- 内側区域:S4
- 外側区域:S2,3
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