そもそもリスフラン関節とは?
- 中足骨と立方骨・楔状骨を繋ぐアーチ状の構造をした関節でリスフラン(Lisfranc)関節(足根中足関節)と呼ばれる。
- 関節自体が動くことはほとんどないが、着時など足に体重がかかかったときに衝撃を和らげるクッションの役割を持つ。
リスフラン関節脱臼骨折
- 中足骨骨折にリスフラン関節脱臼を伴ったもの。
- つま先で強く着地する、あるいは高エネルギー外傷で直接足の甲をぶつけることで起こる。
- 足背部の疼痛と腫脹が強く歩行困難となる。
- 第2中足骨基部には靱帯がなく、第2楔状骨は他に比べて小さいため、第2中足骨が脱臼しやすく、まず側方転位する。
- レントゲンのみでは診断が難しいことも多く、CTやMRIで評価が重要となる。
- 損傷部は非常に不安定で整復しても再度転位しやすいため、手術療法が選択される。
リスフラン関節脱臼骨折の分類
- 同側型転位(homolateral displacement)
- 開散(分散)型転位(divergent displacement)
に大きく分けられる。
Myerson分類は開散(分散)型転位がさらに細かく分類されたもの。
同側型転位(homolateral displacement)
母趾とその他の4趾が同一の外側方向に向かって転位する関節脱臼。第2中足骨基部の骨折を伴う。
開散(分散)型転位(divergent displacement)
母趾は転位なし、もしくは内側に転位し、他の4趾は外側に転位するもの。舟状骨の骨折を合併することがある。
リスフラン関節脱臼骨折の画像所見
- レントゲン正面像で第1・2中足骨関節面と第1・2 (内側・中間)楔状骨間関節面が一直線になるのが正常だがこれが側方転位する。
- 斜位のレントゲンでは、第2・3(中間・外側)楔状骨間関節面と第2・3中足骨間関節面が揃うか、さらに第3(外側)楔状骨立方骨間関節面と第3・4中足骨間関節面が揃うかを確認する。一直線上になければ脱臼と診断する。
- 少なくとも第2中足骨は骨折しているものとして骨折線を探す。
参考文献:
- 足の画像診断(第2版) P117-121
- 骨折ハンター P306-307