上腕骨顆上骨折(supracondylar fracture)
- 上腕骨遠位端骨折のことであるが、顆上骨折と呼ばれることが多い。
- 小児骨折の約半数が肘で起こり、中でも上腕骨顆上骨折は小児の肘関節骨折の6割以上を占める。
- 5-10歳(平均6歳)に好発する。ちなみに小児の膝痛で頻度の高い肘内障は1-4歳に好発する。
- 受傷機転の95%は転落や転倒の際に肘伸展位で手をついて受傷し生じる。特に滑り台や雲梯など高所からの転落で多い。
- 19−49%の頻度で神経損傷が起こり、中でも最も多いのが前骨間神経損傷。
- 骨折の分類にはGartland分類が汎用される。
Gartland分類
- TypeⅠ:転位がわずか。
- TypeⅡ:転位があるが、上腕骨後方骨膜が温存されている。
- TypeⅢ:完全転位で後方骨膜が破綻した状態。
参考文献:
- 臨整外 56巻5号 2021年5月 P620-622
- 骨折ハンター P134-136