肋骨侵食像(rib notching)とは?
・小児期以降で、第3-9肋骨下面が虫食い状(波状)にくぼみが見え、これは肋間動脈が側副路として発達(拡張)することによって生じる。
・肋間動脈が原因であることが多いが、静脈、神経の拡張でも同じく見えることがある。
・下部肋骨の下縁は正常でも不明瞭。また、後部肋骨の胸椎側1/3は正常でも陥凹することがあるので注意。
肋骨侵食像(rib notching)をきたす疾患
- 大動脈狭窄・閉塞
- 鎖骨下動脈閉塞:Blalock Taussing術後、高安動脈炎
- 肺血流低下:Fallot四徴症、肺動脈閉鎖、Ebstein奇形、肺動脈弁狭窄
- 静脈性
- 神経原性(神経線維腫症(neurofibromatosis)など)
- その他
※大動脈縮窄:鎖骨下動脈から分岐する第1,2肋間動脈は側副路として機能しないため、ここには生じない。異常右鎖骨下動脈を伴うものでは、左肋骨のみ、縮窄が左鎖骨下動脈よりも近位部なら右肋骨にのみ生じる。