横隔膜損傷(破裂)
・全外傷の0.1%。胸腹部外傷の3-5%程度に見られる。
・通常腹部鈍的外傷に伴って起こる。
・腹腔内圧の上昇により、横隔膜に高い圧力がかかり、横隔膜が破裂する。
・腹腔内臓器が胸腔内に脱出し、緊急度が高い疾患。
・左側横隔膜破裂が9割を占める。右側は肝臓で保護されているから。
・右側横隔膜破裂の診断は難しい事が多い。またヘルニアのない横隔膜破裂の診断も難しいことが多い。
▶︎日本外傷学会臓器損傷分類2008(横隔膜損傷)
- Ⅰ型:挫傷(diaphragmatic contusion)
- Ⅱ型:非全層性裂傷(non-transmural laceration)
- Ⅲ型:全層性裂傷 (transmural laceration)
a:横隔膜ヘルニアを伴なわない。(without diaphragmatic hernia)
b:横隔膜ヘルニアを伴う。(with diaphragmatic hernia)
▶︎横隔膜損傷の4損傷形態
- 横隔膜挙上症(diaphragmatic elevation)
- 横隔膜裂傷(diaphragmatic tear)
- 横隔膜破裂(diaphragmatic rupture)
- 横隔膜ヘルニア(diaphragmatic hermia)
横隔膜損傷(破裂)の画像所見
・胸部単純X線にて、胃泡が横隔膜よりも上方へ移動、他の消化管も上方偏位することが特徴。