痛風性関節炎、痛風結節
- 痛風により骨関節病変は急性痛風性関節炎と慢性結節性痛風がある。
- 足に多いが、手にも見られ、単関節のときも左右非対称性に多関節を侵すこともある。
- 痛風による関節症は、軟骨や軟骨下骨、滑膜、関節包、関節周囲軟部組織に尿酸が沈着する。
- 結果、非特異的な急性炎症が、下肢、特に母趾MP関節に生じる。
- 初期は、軟骨の表層のみに、進行すると深層に至り、軟骨下や深部の骨組織に沈着するようになる。
- この過程で骨に嚢胞性変化を来たしたり、骨性の輪郭を有するびらんを形成する。
- 痛風結節は、慢性期に生じ、関節軟骨、骨、関節包、腱、靭帯、滑液包などに生じる。サイズが増大すると石灰化や骨化をきたす。
- 肘頭の滑液包炎を伴うことがあり、特に両側性に生じた場合は痛風を疑う兆候とされる。
痛風性関節炎、痛風結節の画像診断
- 関節裂隙は比較的保たれるが、晩期には狭小化を認める。
- 関節内病変の骨びらんは関節辺縁に始まり、中心部に進展する。痛風結節による骨びらんは一般的に硬化縁を伴い、overhanging margin(痛風結節が骨をえぐるように進展し骨が円弧状に伸びる)と呼ばれる。
- 痛風結節は、MRIにてT1WI、T2WIともに低信号を示すとされる。
症例 60歳代男性
右2指のPIP関節周囲に骨びらんあり。びらんは硬化縁を伴っており、いわゆるoverhanging marginを示唆する所見。関節周囲の痛風結節はT1WIおよびT2WIにて低信号を呈している。