胆管周囲嚢胞(peribiliary cyst)
- 肝内胆管壁外の胆管周囲付属腺(peribiliary glands)の嚢胞状拡張。
- 肝門部よりに分布し、胆管性過誤腫よりも中枢側に存在する。
- 多くは2-25mm。
- 肝硬変、門脈圧亢進症、胆道感染、全身感染および成人型多発嚢胞腎(常染色体優性多嚢胞腎)などの基礎疾患に合併することが多い。
※成人型多発嚢胞腎は、胆管過誤腫にも合併することがあるので注意。 - 慢性肝疾患では、肝障害の進行と嚢胞のサイズの増大に相関関係あり。
- 肝硬変患者において、門脈周囲に認める事が多い。
- 通常診断に苦慮することはないが、肝内胆管が嚢胞に圧排されて、原発性硬化性胆管炎と類似したMRCP、ERCP像を呈することがある。
- また、慢性的な胆管通過障害を生じ、胆管炎の原因になることもある。
胆管周囲嚢胞(peribiliary cyst)の画像所見
- CT値は水に近く、単純性肝嚢胞と類似。
- ただし、分布が肝門部優位であり、門脈周囲に分布することから鑑別可能。
症例 50歳代 女性
両側腎腫大を伴う多発腎嚢胞あり。肝にも多発嚢胞を認めており、肝門部優位・門脈周囲に分布しており、成人型多発嚢胞腎に合併したPeribiliary cystを疑う所見。