会陰部の嚢胞性病変
・会陰部の嚢胞性病変には、Bartholin腺嚢胞、Skene腺嚢胞、Gartner管嚢胞がある。他、アポクリン汗腺、エクリン汗腺、皮脂腺がある。
Radiographics. 2011;31: 1583
Bartholin腺嚢胞
・膣口近傍から発生。男性の尿道球部に相当。
・導管が炎症などにより閉塞すると貯留嚢胞を形成。
・粘液産生細胞からなる。
・外陰部の嚢胞としては最多。
・大陰唇の後半部で前庭球の後方にあり、小陰唇の内側に開口する。
・嚢胞の大きさは1-4cm。
・嚢胞は境界明瞭、内部は高い淡白濃度を反映して、T1WIおよびT2WIにて高信号を呈する事が多い。
・感染を伴うことあり、その場合は膿瘍と同様の信号を呈する。
・稀にBartholin腺癌が発生する。
・膿瘍形成を反復したり、膣口に閉塞するものはope対象。
Skene腺嚢胞
・外尿道口外側から発生する。男性の前立腺に相当するのがskene腺。
・性的興奮時に分泌物を排出する器官。
・良性で無症状が多い。
・尿道憩室を生じることあり。
・尿閉や排尿障害を生じると治療対象。
・治療は通常抗生物質。摘出術や開窓術を行うこともある。
症例 20歳代女性
Gartner管嚢胞
・膣壁、子宮頸部、あるいは広間膜に見られる中腎由来のWolff管の遺残。
・膣の前外側壁(膣円蓋から膣下1/3)から発生する。
・極めて稀。