Kienböck病とは?

  • 月状骨が進行性に虚脱する無腐性骨壊死
  • 原因は不明。
  • 手をよく使う職業人の利き手に多いとされる。
  • また尺骨が橈骨よりも短い正常変異(negative ulnar variance)による尺骨と有頭骨による圧迫とされている。(逆に尺骨が橈骨よりも長い場合は、TFCC損傷の原因になる→関連:TFCC損傷の原因となる尺骨突き上げ症候群とは?)
  • もともと月状骨には血流が豊富であるが、橈骨関節面は比較的乏しく、ここに繰り返される衝撃により骨内の血流が障害されることが原因と考えられている。
  • 20〜40歳代に好発する。男女比は2:1。
  • 進行性の手関節痛、腫脹、運動制限。
  • 手根管症候群として発症することもある。
  • 進行した例では変形性関節症と同じ症状を呈する。

虚血性骨壊死を来す手根骨病変の代表は、舟状骨骨折と、kienbock病

  • X線病期分類にはいくつかあるが、Lichtmanの分類法が用いられることが多い。

Lichtmanの分類法

  • Ⅰ期:月状骨は正常X線所見、
  • Ⅱ期:硬化性変化、
  • Ⅲ期:月状骨は潰れる。さらに、舟状骨・月状骨解離の有無でⅢAとⅢBに分けられる。
  • Ⅳ期:二次性関節症を呈する。

kienbock病のMRI画像所見

  • MRIではX線で所見のないⅠ期でも壊死の診断が可能。
  • 月状骨はT1WIで低信号を呈する。
  • T2高信号(〜種々の信号パターンあり)、STIR 高信号を呈する。
症例 80歳代男性

kienbock

T1WIで月状骨は低信号で脂肪抑制T2WI高信号では全体的に高信号を示しています。

キーンベック病を疑う所見です。

 

 

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