三叉神経痛
血管による脳神経の圧迫(神経血管圧迫症候群)は3種類。
- 三叉神経(Ⅴ)→三叉神経痛 ★★今回はこれ!
- 顔面神経(Ⅶ)→顔面痙攣
- 舌咽神経(Ⅸ)→舌咽神経痛
- 通常中年以降の女性に多い。
- 三叉神経支配領域(主にV2,3領域)に生じる。
- 反復する発作性の電撃痛で発症する。数秒後に消失する。睡眠中は消失する。
- 様々な原因による症候性三叉神経痛を除くと、大部分は三叉神経のroot entry zone(REZ:脳幹部より出たところ)への血管圧迫が原因。
- 責任血管は上小脳動脈、前下小脳動脈であることが多い。
- 二次性のものには、腫瘍などによる圧迫、虚血性病変、脱髄性病変がある。
- 治療はカルバマゼピンが奏功する。診断の目的でも用いられることあり。
- 血管減圧術の他に、高齢者や手術困難症例では、放射線治療が行なわれることあり。
画像所見
- MRAの元画像や、MR脳槽撮影(FIESTAやCISS)が有用。
- 三叉神経は橋中央の外側に入り、その周辺が三叉神経のroot entry zone(REZ)となる。その部位にて、血管が神経を圧迫しているかをチェックする。
- 注意すべきは、三叉神経痛の原因が血管圧迫によるかどうかは画像だけでは診断できないことと、血管が神経に接するだけでは症状を来さず、変形させるくらいの圧迫が必要という点。