血管周囲腔とは?
基底核に脳梗塞を見つけました。これです。
これは脳梗塞ではありませんよ。血管周囲腔と呼ばれるものです。
サイズが大きいのでわかりやすいですが、内部に血管構造が走っているのが見えます。
さらに脳梗塞ならば、FLAIRで周囲が高信号になりますが、今回はそれが見られません。
ラクナ梗塞・白質病変・血管周囲腔のMRI画像の信号パターンによる分類
ラクナ梗塞 | 白質病変 | 血管周囲腔 | |
T1強調像 | 低信号 | 等〜低信号 | 等〜低信号 |
T2強調像 | 明瞭な高信号 | 高信号 | 高信号 |
FLAIR | 等〜高信号時に、低信号 | 明瞭な高信号 | 等〜低信号 |
周囲 | T2WI,FLAIRにて不規則な高信号 | 周囲に高信号を伴わない。 | |
その他 | 最大径3mm〜15mm | 3mm以下 |
なるほど。信号パターンからは梗塞より血管周囲腔ですね。
そうですね。場所も典型的なので覚えておきましょう。
血管周囲腔の好発部位
- 大脳白質(前頭葉、頭頂葉)
- 基底核
- 海馬
- 中脳 に好発。
血管周囲腔とラクナ梗塞との鑑別方法
- ラクナの場合、辺縁にFLAIRやT2強調像で信号上昇あり。
- 血管周囲腔ではなし。
- また、血管周囲腔は被殻の下1/3に分布するが、ラクナ梗塞は上2/3に分布することが多い。
・基底核下1/3、特に前交連外側の被殻外側下方では、5mmを超えることが少なくない。ラクナ梗塞と鑑別を要する。
参考)より詳しくは、血管周囲腔(perivascular space)のMRI画像所見