細胆管癌(cholangiolocellular carcinoma)
・ヘリング管(細胆管)由来とする腫瘍。
・原発性悪性肝腫瘍の0.5%程度と極めて稀。
・HCCと同様にB型・C型肝炎に比較的多く発生。
・HCCより予後良好と言われている。
・肝細胞癌(HCC)と胆管細胞癌(CCC)の両者の性質を持つ。
・中心部に繊維性の間質を有し、反応性の増生細胆管やへリング管に類似する構造を示す。
・楕円形もしくはダルマ状を示すことが多く、notchを伴う傾向がある。
・癌性腺管が互いに不規則に吻合する鹿の角状増生(antler-like anastomosing patterns)が特徴。
画像所見
・辺縁部は胆管細胞癌成分、肝細胞癌成分を伴う事があり多彩。
・早期相で造影効果あり、特に中心部は遅延性濃染。
・早期相で腫瘍周囲にA-P shuntを伴う事が多い。
・ダイナミック造影CT所見は細胞成分と線維性間質の多寡によって様々で、短径25mm以下では早期に腫瘍全体あるいは辺縁が濃染し、後期相で濃染が持続したり、washoutを示したりする。
・腫瘍内に既存構造(グリソン鞘、肝静脈など)の取り込みを認める。
・肝内胆管拡張は目立たない。
・脂肪沈着はない。
・EOB肝細胞相では、取り込み低下する事が多いが、線維成分が高信号として描出されることがある。
・このように多彩。だけど大事なポイントは以下。
・細胆管類似の腫瘍細胞が肝細胞を置換するように発育
→腫瘍内に既存構築を含有する。線維性間質が介在する。
→多血で造影効果は遷延する、腫瘍内に既存脈管構造が同定できる。
参考)
・画像診断vol.29 No.6 2009 特殊な病理像を示す肝細胞癌の画像と病理 九州大学 柿原大輔先生