グリソン鞘の異常と画像(periportal callor、periportal abnormal intensity)
・肝グリソン鞘は、肝動脈、門脈、神経、胆管とリンパ管を包む線維鞘。
・腫瘍や炎症の進展に重要な役割を果たしている。
・グリソン鞘には種々の疾患で浮腫(あるいは水腫)、炎症細胞浸潤、腫瘍細胞浸潤、リンパ液のうっ滞などが起こる。
・これらはCTでは門脈周囲低吸収域(periportal hypodensity、periportal callor)として描出される。
・MRIはこれらの描出により鋭敏で、特にT2強調画像で門脈を取り囲む高信号帯 (periportal abnormal intensity:PAI)として描出される。T1強調画像では低信号帯として描出される場合が多いが、門脈や胆管が低信号であるためわかりにくい。
・炎症性変化や腫瘍細胞浸潤では造影CTやMRIで造影される。