再発性(反復性)多発性軟骨炎(RP:relapsing polychondritis)

  • 軟骨や類似組織を系統的に侵す炎症性変性疾患。
  • 好発部位は耳介(90%)、鼻(鞍鼻)、眼、関節、気道軟骨(50%)。
  • 病態は不明であるが、typeⅡコラーゲンに対する自己抗体など種々の自己抗体が認められることによる自己免疫疾患と考えられている。
  • 30-60歳代で、性差はないが、気道病変はやや女性に多い。
  • 約30%にはリウマチ性関節炎や、全身性の血管炎などの自己免疫疾患を合併する。
  • 耳介の発赤、腫脹、変形をはじめとする耳症状が非常に高頻度に認められ、次いで喉頭不快感、嗄声、呼吸困難や喘鳴などの呼吸器系の症状が半数以上に見られる。
  • 呼吸器系の症状があるものは予後不良。気道系の障害は上気道の狭窄で始まる。
  • 死因としては、窒息死が多い。

関連記事:耳介の石灰化、骨化の鑑別診断

再発性多発性軟骨炎の診断基準(McAdamら)
  • 両側耳介軟骨炎
  • 非びらん性リウマトイド因子陰性の多関節炎
  • 鼻軟骨炎
  • 眼科的炎症(結膜炎、角膜炎、胸膜炎、ブドウ膜炎)
  • 気管軟骨炎
  • 蝸牛または前庭機能障害
  • 軟骨炎に合致する生検病理組織所見
    の7項目のうち3項目以上を満たすもの。

 

再発性多発性軟骨炎のCT所見

  • 気管気管支の変形・狭窄、気管軟骨の腫大。ただし、後壁である膜様部はspareされる。
  • 早期:平滑な肥厚、吸収値上昇。
  • 後期:軟骨石灰化、内腔の狭窄。
症例 70歳代男性

relapsing polychondritis

気管軟骨のびまん性肥厚あり。気管の変形狭窄を認めています。膜様部はspareされています。

relapsing polychondritis1

再発性(反復性)多発性軟骨炎と診断され、ステント留置されました。

耳介の軟骨炎はDWIで高信号

“Prominent ear sign” on diffusion-weighted magnetic resonance imaging in relapsing polychondritis

再発性多発軟骨炎に伴う中枢神経障害

  • 無菌性髄膜炎
  • 髄膜脳炎
  • 脳幹脳炎
  • 辺縁脳炎

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