先天性股関節脱臼(congenital dislocation of the hip:CDH)
・先天性股関節脱臼(congenital dislocation of the hip:CDH)は実際には生後1〜2週で発生するものが多く、developmental dislocation of the hipあるいは、発育性股関節形成不全 Developmental dysplasia of the hip:DDHと呼ぶ方が適切。
・発症率は1,000人に1人程度で、女児、左股関節に多い。
・原因は遺伝や先天性奇形の他に、股関節に加わる胎内や出生後の機械的要因の関与が大きいと言われている。
・新生児期における診断は理学所見からなされ、大きく脱臼を来しているもの以外は単純写真上異常を認めな いことが多い。この時期の画像診断としては超音波検査が最も有用。
画像所見
・骨頭の被いが不十分で、骨頭が前上方に偏位する。
・関節唇はshear stressが起きて、関節唇断裂・肥大や、ガングリオンが形成される。
・MRIでは骨端核が出現しない早い時期から大腿骨頭軟骨と臼蓋の関係がよくわかる。また、合併症である大腿骨頭壊死の診断にも有用。