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マイコプラズマ肺炎(Mycoplasma pneumoniae pneumonia)

■疫学
  • Mycoplasma pneumoniaeと呼ばれる細胞壁を欠く微小な細菌(100-120nmであり細菌よりも小さい。)によって引き起こされる肺炎。
  • 非定型肺炎の一つ。
  • 晩秋から冬にかけてピークがあるが、通年いつでも発生する。
  • 市中肺炎の9〜29%を占め、入院を必要とする市中肺炎の5%。
  • 若年者(10〜30歳代)に好発する(70%)。ただし、60歳以上での発症も9%程度ある。
  • 家族内感染、集団感染が比較的多い。
■症状
  • 潜伏期は2〜3週、咳嗽は初発症状出現後3-5日から始まることが多く、次第に増強し、解熱後も長く持続する(3〜4週間)。
  • 頑固な乾性咳、全身倦怠感、発熱を示す。
  • 肺炎以外では下痢、中耳炎、咽頭痛、髄膜炎、脳炎、横断性脊髄炎、Guillain-Barre症候群、関節炎、皮膚紅斑など、稀に心筋炎を生じる。
■検査
  • 白血球は正常〜軽度上昇(<15000)が多い。
■診断
  • 臨床所見、画像所見、血清学的診断を用いて行われる。
  • 確定診断は血清学的診断もしくは咽頭ぬぐい液や喀痰の培養で行われる。
  • しかし、単血清の診断や迅速診断キットでは偽陽性が少なからずあるため、確定にはペア血清(感染初期と回復期の血清。マイコの場合は4倍以上の上昇が診断基準)による診断が必要。
  • しかし、時間がかかるため、画像診断による診断補助の意義は大きい。
  • ただし、画像所見>臨床所見。つまり、画像上の肺炎像のわりには患者が元気である点が特徴である。
■経過
  • 自然治癒も多いが、重症の細気管支炎(BO含む)や、ARDSを来すこともある。

こちらにもイラスト付きで詳しくまとめました。→【CT画像あり】マイコプラズマ肺炎とは?症状や検査、治療のまとめ

マイコプラズマ肺炎の画像所見は?

 画像所見
レントゲン
  • 網状結節影もしくは斑状の浸潤影を示す。
  • 肺門リンパ節腫大(子供に多い)を認めることもある。
CT
  • 小葉中心性結節影(しばしばtree-in-bud appearance)(中枢まで目立つ)気管支肺動脈束の肥厚・(気管支肺炎様の)小葉大のすりガラス・均等影・浸潤影
  • lobular opacityと呼ばれる矩形の結節もしくは腫瘤が見られることや、大葉性肺炎を疑わせる広範な浸潤影や無気肺を呈するものもある。
  • 広範なすりガラス影を示すことが時にあるが、これはアレルギー性反応による毛細血管透過性亢進による浮腫と推測されている。ARDSを来すこともある。
  • 小児例では、成人よりも浸潤影が強い傾向にある。病原体に体する免疫反応の違いに起因。

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症例 30歳代男性

Mycoplasma pneumoniae pneumonia Mycoplasma pneumoniae pneumonia1

左下葉に気管支壁の肥厚と周囲小葉中心性の結節影およびそれらが融合した浸潤影が区域性に広がりあり。

マイコプラズマに矛盾しない所見です。

症例 30 歳代の女性。発熱と咳嗽。

Mycoplasma pneumoniae pneumonia2012年放射線科診断専門医試験問題23より引用

若い女性。異型肺炎。

CTで、左下葉に気管支壁の肥厚・小葉中心性の粒状影が見られる。

これらから、マイコプラズマ肺炎に矛盾しない所見です。

こちらにもイラスト付きで詳しくまとめました。→【CT画像あり】マイコプラズマ肺炎とは?症状や検査、治療のまとめ

参考)マイコプラズマは線毛が好きな病原体!!
  • 線毛大好き病原体は線毛のある呼吸細気管支の途中までしかいかない。線毛の粘液の流れを止めることにより、頑固な咳が出るのが特徴。
  • そのため、気道の線毛上皮が選択的に侵され、周囲の肺胞領域へ炎症が広がる。中枢側の気管支壁の肥厚を認め、末梢ではTree-in-Budを呈する。周囲肺胞への炎症を反映して小葉中心性に境界不明瞭なGGO→高度になるとconsolidationを認める。

Mycoplasma pneumoniae pneumonia

Mycoplasma pneumoniae pneumonia1

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