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腎血管筋脂肪腫(AML:renal angiomyolipoma)とは?

  • 良性充実性腫瘍で最も多い
  • 脂肪と平滑筋成分、血管の3つで構成される良性腫瘍(過誤腫)で、女性に多い。
  • 近年ではPEComaと呼ばれることもある。
  • 腹痛、血尿、腫瘤触知などの症状を呈することがあるが多くは画像で偶然見つかることが多い。
  • ほとんどは単発
  • 腫瘍周囲の偽被膜は通常認められない
  • 静脈進展を呈するものもある。
  • 無症状で見つかった場合、以前は4cm以上のサイズでは腫瘍内血管が破綻して、出血のリスクがあり、治療の対象とされていたが、最近では10cm以上の場合という意見もある。
  • 結節性硬化症の50〜80%に認める。この場合は両側や多発が多い。また有意に発育速度が速く、出血のリスクも高い。そのため、塞栓術などの積極的治療の対象となる。
  • 結節性硬化症以外では、思春期以前に発見されることはきわめて稀、大きなAMLは女性に多い、妊娠中に増大することあり、これらよりホルモンとの関係が示唆されている。
  • 稀に、Lymphangiomyomatosis(LAM)を合併することあり。
  • 脂肪の占める割合が少なく、筋成分が主体を占めているものをAML with minimal fatと称し、4.5%を占める。
  • またAMLはbeak signを伴わない突出をする傾向があり、腎癌との鑑別が困難な場合あり、その場合腎生検が推奨される。
  • 免疫染色により腎細胞癌(cytokeratin陽性、HMB45陰性)と血管筋脂肪腫(cytokeratin陰性、HMB45陽性)は鑑別可能。
  • 脂肪の多いところのみを病理医が見たときに、脂肪肉腫と診断してくることがある。画像でAMLが疑われる旨を病理医に強く推すことが大事。

血管筋脂肪腫の画像所見

▶エコー所見:

  • 脂肪を反映して高エコーの腫瘤として認める。
症例 40歳代女性、検診。

renal AML(2008年放射線科診断専門医試験問題60より引用。)

両側腎に高エコーを呈する腫瘤あり、脂肪を反映し、血管筋脂肪腫を疑う所見。

▶CT所見:

  • 脂肪が豊富だと、高エコー、単純CTで-10HU(-20HU)以下の濃度を呈する。
症例 40歳代女性 検診で異常を指摘された。結節性硬化症。

renal AML(2009年放射線科診断専門医試験問題54番より引用)

右優位に両側腎に脂肪成分を含む結節複数あり。

腎AMLを疑う所見。AMLを合併するのは、結節性硬化症。


症例 30 歳代の女性。検診の超音波検査にて右腎に異常を指摘された。

renal angiomyolipoma(2008年放射線科診断専門医試験問題50より引用。)

右腎に単純CTで明らかな脂肪を含有する腫瘤あり。

ダイナミックにて早期に染まりwashoutを示している。

腎血管筋脂肪腫を疑う所見。

 

▶MRI所見:

  • MRIではT1強調像、T2強調像ともに高信号を呈する。また、in-out phaseでの低下、脂肪抑制での低信号化にて診断される。

※ただし、in-out phaseにて信号低下をしないものもあることに注意。水と混在していないと低信号化しない。(皮下脂肪を見れば明らか)

※また、脂肪を含有する腎細胞癌(淡明細胞型腎癌)もあるので注意。

▶動画で学ぶ腎血管筋脂肪腫の破裂症例

脂肪の乏しいAML(AML with minimal fat)とは?

  • AMLの5%
  • 脂肪成分が少なくなると、エコーで実質と等エコー。
  • 平滑筋細胞成分のみから構成されることがある(Epithelioid angiomyolipoma)。この場合悪性例が存在する。
  • 単純CTでは実質より高吸収(平滑筋主体なので筋と同じくらいの濃度。)
  • MRIのT2強調像で低信号を呈する。
  • 筋成分のみで占められるので、比較的均一な像を呈し、腎被膜からはbeak signを伴わない突出をする傾向がある。このような血管筋脂肪腫は乳頭状腎癌などと鑑別が困難である。
  • 生検を行い不要な手術を避けるのが望ましい。

単純CTで高吸収を呈する腎腫瘤の鑑別診断

  • 乳頭状腎細胞癌
  • 脂肪成分の少ないAML
  • complicated cyst
  • metanephric adenoma(後腎性腺腫)
  • 平滑筋腫

AML with minimal fat2008年放射線科診断専門医試験問題51より引用。

単純CTで淡い高吸収、ダイナミックにて緩徐に造影されるパターン。

そしてT2WIで底信号を示している。

これらから、脂肪の少ない腎血管筋脂肪腫もしくは、ヘモジデリンを含む乳頭状腎細胞癌の疑い。

よって答えは、bとdとなる。

症例 30歳代女性 左腎腫瘤を指摘された。

leiomyoma of the left kidney CT and MRI findings

左腎より突出する腫瘤あり。

単純CTで高吸収、造影にてわずかに染まりあり。

MRIのT2強調像では筋肉と同程度の低信号を示しています。

腹腔鏡下腎部分切除術が施行され、病理診断の結果、平滑筋腫(leiomyoma of the left kidney )と診断されました。

脂肪成分は含まれておらず、AMLは否定されました。

脂肪を含む腎腫瘍はすべてAML?

  • 淡明細胞癌などRCCにおいても脂肪を含有するものがある。
  • 脂肪のみで、AMLと診断してはいけない
脂肪を有する腎腫瘍で悪性を疑うとき
  • 腫瘍内の骨様の石灰化の存在
  • 腎周囲や腎洞脂肪に浸潤する大きく辺縁不整な腫瘍
  • 小脂肪巣を伴う壊死性腫瘍
  • 被膜の存在
  • リンパ節腫大や静脈浸潤の存在

参考&引用改変)
知っておきたい泌尿器のCT・MRI (『画像診断』別冊KEY BOOKシリーズ) 山下 康行先生

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