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BI-RADS MRIに基づいた乳腺MRI読影法 Massの場合

Mass(腫瘤)ならばその特徴を4つに分けて記載します。

そもそもMassとは5mm以上の占拠性病変。mass effectを伴い、T1、T2強調像でもあるように見えるものです。

鑑別としては浸潤癌、線維腺腫などが挙げられます。

検討すべき4項目(3つの形態評価+1つの造影パターン解析)

  • Shape(形状)
  • Margin(辺縁)
  • Internal enhancement characteristics(内部の増強効果の特徴)
  • Time intensity curve(時間信号曲線)

step1 腫瘍の形はどうか?(Shape)

  • Round(円形)
  • Oval(卵形)
  • Lobulated(分葉状)
  • Irregular(不整形)

step2 腫瘍の辺縁はどうか?(Margin)

  • Smooth(平滑) ,
  • Irregular(不整) ,
  • Spiculated(スピキュラ状)
形状および辺縁の評価の注意点
  • shapeおよびmarginは乳癌が最も明瞭に描出される早期相で評価。
  • 低血流性の病変(粘液癌、良性腫瘍など)では後期相で最も明瞭になる場合もある。
  • 形状よりも辺縁の評価が重要スピキュラ状や不整な辺縁は悪性の可能性が高い。平滑な辺縁の腫瘤は良性の可能性が高い

step3 内部の造影効果の特徴はどうか?(Internal enhancement characteristics)

  • Homogeneous(均一):一様な増強効果。良悪性ともあり。
  • Heterogeneous(不均一):様々な程度の増強効果が混在。良悪性ともあり。
  • Rim enhancement(リング状):下に詳細あり。
  • Dark internal septations(低信号内部隔壁):下に詳細あり。
  • Enhancing internal septations(造影される内部隔壁):内部の隔壁様の増強効果。悪性に多い。
  • Central enhancement(中心性):腫瘍中心部の増強効果。悪性に多い。中心部の線維組織に生じる。
▶Rim enhancementについて(悪性を示唆)
  • 環状・リング状増強効果であり、乳癌を示唆する所見。
  • 腫瘤辺縁部に認められる増強効果の場合、活発に増殖する部位に生じる。
    spiculation、中心に壊死や線維間質を持つ乳癌に多い。
  • 腫瘍を取り巻くように周囲に認められる増強効果の場合、腫瘍周囲の線維組織(=肝癌の偽被膜と同じ)に生じ、後期相で観察されやすい。
    辺縁平滑な乳癌(充実腺管癌など)に多い。
▶Dark internal septationについて(良性を示唆)
  • 増強効果のない内部隔壁のこと。
  • 腫瘍内に見られる線状の低信号であり、T2強調像でも観察されることあり。
  • 線維性の隔壁を示唆。
  • 線維腺腫で好発するが、葉状腫瘍や粘液癌でも見られる事がある。

step4 造影パターンはどうか?Kinetic Curve Assessment

Initial rise 
  • Rapid(元の信号強度の2倍以上)
  • Medium(1.5倍〜2倍)
  • Slow(1.5倍未満)
    ※早期相でピーク値の増加が強い病変ほど悪性の可能性大。
Delayed phase
  • Persistent(良性が多い。早期相のピーク値から後期相に元の信号強度の10%以上増加)
  • Plateau(良性、乳癌の両者。ピーク値から±10%以内)
  • Washout(乳癌に多い。ピーク値から10%以上減少)

 

time intensity curve

Harms SE.J Magn Reson Imaging10;979,1999より引用改変

※レポートには「最も疑わしい」カーブ形状を造影パターン解析として記載する。 つまり、rapid-washoutを呈する部位がどこかにあれば、rapid-washoutとなる。

※判定においては、常に形態評価(shape,margin,enhancement)が優先。kinetic curveが良性パターンであっても判定を下げることができない。線維化の強い硬癌や粘液癌などの一部はこのような遷延性造影増強のパターンを呈するため、注意が必要。

どこでROIを計測するべきか?

  • ROIの大きさは3ピクセル以上。血管自体を計測しないように。
  • 乳癌の血流は必ずしも一様でなく、同じ一つの病変内にwashout plateau , persistent patternを示す部位が混在している場合が少なくない。
  • この場合、最も悪性を示唆するパターンをサンプルし、レポートする。
  • 最低3カ所関心領域を置いて計測するべきとの報告あり。
  • 腫瘍辺縁部分が病変の性状を最も反映しやすい
  • 計測部位は最も増強される部位またはwashout patternを示す場所。
  • 大きさ3ピクセル以上の関心領域を取り、全相で関心領域が病変内にあることを確認する。

Mass lesionの形態と血流情報による読影

BI-RADSカテゴリー MRIでの所見
>カテゴリー 5 ・棘状辺縁(spiculated margin)
・不規則な腫瘤(中でも早期濃染・washout、辺縁造影効果を示すもの)
>カテゴリー 4b ・不規則な腫瘤
・整な辺縁だけどwashoutパターン
>カテゴリー 4a ・整な辺縁で早期濃染を示すがwashout以外
・整な辺縁で早期濃染もwashoutも示さない。

(Tozaki M,Fukuma E AJR193:840-849,2009を改変)

参考)画像診断 vol.33 No.9 2013 乳房MRI 久保田一徳先生ら

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