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甲状腺シンチ

・甲状腺は血中のヨードイオンを取り込み、有機化して甲状腺ホルモンを合成する。

123Iは診断目的で用いられる。摂取率24時間値は甲状腺機能をよく反映する。甲状腺中毒症の鑑別には123Iのほか、ヨード制限のいらないパーテクネイトが用いられる。

131Iは甲状腺の被曝が大きいため、甲状腺機能亢進症分化型甲状腺癌(乳頭癌、濾胞癌)治療(内照射)目的で用いられる。

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内照射(内用療法)とは?

体内に投与した放射性物質を用いた放射線治療。

内照射の適応

分化型甲状腺癌に対する131Iの内用療法

・甲状腺は血中のヨードを取り込んで、甲状腺ホルモンを合成する。ここに131Iを取り込ませることにより、甲状腺癌を破壊していくという治療。

・分化度の高い癌である、乳頭癌と濾胞癌に適応がある。分化度が高い方が、ヨードを取り込む甲状腺の機能を保有しているから。ただし分化癌でも転移に集積しないことが1/3である。

・より131Iを取り込ませるためには、放射性ヨード投与3週間前からヨード制限が重要。(海産物、とくに昆布、ワカメ、たらはダメ。ほか風邪薬に含まれることもある。)

・ヨード造影剤を用いたCT検査を受けた場合、1ヶ月以上空ける必要がある。

・基本的に甲状腺癌に対して手術で、甲状腺を全摘あるいは、準全摘した人が対象。正常甲状腺が残っているとそちらに集積するから。

・妊婦や授乳婦には禁忌。小児には行う。

遠隔転移があればこの治療が第一選択。なくても、再発予防のため投与し、残存する正常甲状腺(これをレムナント(remnant)という)ともに破壊して甲状腺床を一掃する(これをアブレーションという)目的で使用される。
※甲状腺全摘しても残存甲状腺組織が10%程度に残る。

・この治療の良いところは、重篤な副作用がまれであること。放射性物質を使うとはいえ、他の部位への被ばくが少ない。

131Iの内用療法の手順
  1. I131を経口投与する。この際、隔離病室での治療が必要。
  2. 治療後、γ線でシンチグラフィーを撮影。病変への集積を確認。サイズの縮小や、腫瘍マーカーであるサイログロブリンの増減をチェック。
    ※サイログロブリンが甲状腺全摘後に上昇すると、分化型甲状腺癌組織が存在することを示唆する。

131I内用療法の治療効果は?

肺転移(A)>骨転移(B)>局所再発、リンパ節転移(C1)>脳転移(C3)の順で効果的。()は推奨グレード。

・肺転移には特にサイズが小さく、若年者ほど効果的。

・局所再発やリンパ節転移には集積を認めても十分が効果が出ないことが多い。なので可能な限り手術により摘出する。

131I内用療法の副作用は?

・副作用が少ないのがこの治療のメリットではあるが、副作用もある。

・急性障害として、無精子症・精子減少、腹部不快・便秘、味覚異常・口内不快感・唾液分泌異常、食欲不振・嘔気・嘔吐など。

・また治療後1年は妊娠を避ける。

・治療間隔は少なくとも半年以上空ける。膀胱癌や白血病の発生の報告あり。

症例 60 歳代の女性。

甲状腺全摘術後に131I 5,550 MBq(150 mCi)で治療後。

131I2006年放射線科診断専門医試験問題67より引用。

甲状腺全摘出後の甲状腺癌転移巣に対する131I内照射療法後のシンチグラム。甲状腺部および椎体、肺、縦隔などに集積あり。甲状腺癌の転移を疑う所見。甲状腺癌の組織は、高分化型の乳頭癌もしくは濾胞癌がこの治療の対象になるが、骨転移を認めている点から濾胞癌がより疑わしい。

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