MELAS(mitochondrial myopathy encephalopathy lactic acidosis strokelike episode)症。

  • ミトコンドリア異常症に含まれる疾患としては、MELAS、MERRF(myoclonus epilepsy associated with ragged-red fibers)、KSS(Kearns-Sayre syndrome)、Leigh encephalopathyなどがある。
  • つまりMELASはミトコンドリア異常症の一つ。
  • ミトコンドリア遺伝子変異が原因で、TCAサイクルの回転が障害され、ATP産生障害を生じ血中乳酸値が上昇する。
  • 乳酸、ピルビン酸の血中、脳脊髄液の高値を伴う。
  • ミトコンドリアDNA異常として点突然変異(3243番のAがGに置換)が知られている。
  • 臨床的には血管支配領域に一致しない痙攣、意識障害を伴う脳卒中様発作を生じる。後頭頭頂葉に好発する梗塞様病変が特徴。
  • 梗塞巣が灰白質のみに存在するときや、血管支配に一致しないときは、MELASを疑う。
  • MELASの活動病変は、細胞レベルの虚血状態にもかかわらず、局所の血管が拡張し、血管性の浮腫状態であることが知られている。拡散制限がある場合とない場合がある。
  • 20歳以下、特に小児期の発症が多い。
  • 最終的に認知症を引き起こし、死に至る。

MELASの画像診断

  • 側頭葉後部、後頭葉、頭頂葉、基底核などに血管支配に一致しない梗塞様病変の多発を認める。急性期病変のADCが低下せず可逆性変化を呈しうる点が梗塞と異なる。
  • 皮質病変の検出にはFLAIRが病変の描出に鋭敏である。
  • 基底核の石灰化を呈することがある。
  • 多発性硬化症との鑑別が問題となるが、深部白質が保たれ、皮質が侵される点が異なる。
  • 急性期病変の血流亢進を反映してMRAでは病変側の血管が太く描出されたり、潅流画像での高血流を認める。
症例 40 歳代の男性。記銘力低下,嘔気,嘔吐。

mitochondrial myopathy, encephalopathy, lactic acidosis, and stroke-like episodes

2011年放射線科診断専門医試験問題10より引用。

両側側頭葉から後頭葉にかけてFLAIRにて異常な高信号の広がりあり。

MRAでは左優位にMCAの末梢の拡張あり。

MELASを疑う所見。

症例 20 歳代女性

無職。低身長。中学生の頃から頭痛,嘔吐の発作が頻発していた.高校在学中には視力低下や聴力低下が指摘され,学力も徐々に低下し中退した.その後も身の回りのこと程度しかできなくなった。

10回核医学専門医試験問題45より引用。

右側頭葉後部、後頭葉、頭頂葉、前頭葉に梗塞様病変あり。

また年齢を考慮すると大脳半球の萎縮あり。

右優位に頭頂葉、後頭葉、側頭葉の血流低下あり。

他の臨床所見と合わせてMELASを疑う所見。

参考文献)頭部画像診断の勘ドコロ P170



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