ラクナ梗塞とはどのような梗塞なのでしょうか?
またMRI画像の特徴はどのようなものでしょうか?
今回はラクナ梗塞についてまとめました。
ラクナ梗塞
ラクナ梗塞です。まずこちらをご覧ください。
動画で学ぶラクナ梗塞の基礎
▶キースライド
要するに小さい梗塞ってことですよね?
まあそうですね。ラクナ(lacuna)とは実際「小さい窪み」という意味です。
大事なのはこの梗塞は穿通動脈(穿通枝)が詰まるということです。
穿通動脈って何ですか?
脳を走る血管には脳の表面を走る血管と、そこから実際に脳に入って行く血管があります。
- 脳の表面:皮質動脈(皮質枝)
- 脳に入って行く:穿通動脈(穿通枝)
と言います。
なるほど脳の深い所を栄養している血管ですね。
そうですね。そして、穿通動脈が栄養している場所を穿通動脈領域といい、ここには、
- 視床
- 尾状核
- 内包
- 被殻
- 淡蒼球
が含まれます。
なるほど。この穿通動脈が詰まるのがラクナ梗塞なんですね。
指導医
その通りです。ついでに説明しておくと、この穿通動脈の末梢か中枢のいずれかが詰まるかでさらに分ける事ができます。
もちろん中枢で詰まる方が、範囲は広くなり、症状がでやすいです。
穿通動脈の末梢で詰まる場合
穿通動脈の中枢で詰まる場合
ラクナ梗塞
- 穿通動脈閉塞による梗塞で、 5-15mm程度の小梗塞のこと。
- 原因は、加齢、高血圧による細動脈硬化。その他、微小粥腫、微小塞栓なども原因になる。
- 大脳基底核、内包、視床、脳幹などの穿通動脈領域に梗塞を生じる。
重要な穿通動脈とそれを出す皮質動脈
- 基底核領域←外側線条体動脈(LSA)←中大脳動脈(MCA)
- 内方後脚←前脈絡動脈(Acho)←内頸動脈(ICA)
- 視床への穿通動脈←後大脳動脈(PCA)
- 終末動脈ゆえ側副血行は発達しない。
- 症状は比較的軽微なことがおおいが、内包後脚を栄養する前脈絡動脈閉塞では片麻痺を生じる。
- 出血性梗塞はない。Microbleedsはありえる。
動画で学ぶラクナ梗塞
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