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大動脈解離(Aortic Dissection(AoD))

・内膜の亀裂(エントリー)から血液が流入→大動脈中膜が内外2層に剥離して壁内に偽腔が生じた状態

中膜(medial layer)の脆弱性が本態。

・リスクは高血圧、加齢、Marfan症候群、Ehlers Danlos症候群、家族性大動脈解離(FBN1)、動脈硬化はむしろまれ(30%程度)、先天性大大動脈奇形(2尖大動脈弁、大動脈狭窄)、大動脈炎(高安病、巨細胞性大動脈炎)、妊娠後期、外傷。

・嚢胞性中膜壊死(cystic medial necrosis):弾性線維の代謝異常、平滑筋の脱分化による類粘液変性。

・症状は、疼痛(突然、激しい、持続性、裂けるような)、失神、脳梗塞、高血圧、低血圧、脈拍欠損、大動脈弁閉鎖不全雑音。

・診断は胸部レントゲン(60〜90%に異常あり、縦隔陰影拡大、胸水)、CT、経食道心エコー

・治療は保存的治療ではβ遮断薬静注をまず行なう。血管拡張剤による収縮期血圧の低下を行なう。

上行大動脈に解離が及ぶ場合は外科的治療の対象。

・合併症は大動脈破裂、動脈閉塞、大動脈弁閉鎖不全

・予後は急性の近位の解離ならば1時間毎に1%が死亡(発症48時間まで。)

解離の範囲およびエントリーの位置からの分類

①DeBakey分類:エントリーの位置と解離腔の範囲により分類
  • Ⅰ型:上行大動脈にエントリーがあって、解離が上行から下行まで及ぶ。
  • Ⅱ型:解離が上行に限局する。
  • Ⅲ型:下行大動脈にエントリーがある。
    —Ⅲa型:胸部下行大動脈に解離が限局する。
    —Ⅲb型:腹部大動脈まで解離が及ぶ。
②Stanford分類:解離腔の範囲のみで分類
  • A型:上行大動脈に解離がある。
  • B型:上行大動脈に解離がない。

※DeBakeyⅠ型およびⅡ型はStanfordA型。
※DeBayeyⅢ型はStanfordB型の場合と逆行解離をきたしたA型の場合がある。

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症例 59 歳の男性。背部痛を主訴に来院。

AORTIC DISSECTION2006年放射線科診断専門医試験問題32より引用。

胸部上行大動脈および下行大動脈へ解離は及ぶ。Stanford分類A型を疑う所見。

 

偽腔の血流状態から見た分類(2010大動脈瘤・解離ガイドライン)

  • 偽腔開存型
  • 偽腔閉鎖型
  • ULP型

に分類される。
Aortic Dissection3

偽腔開存型

・真腔と解離腔に血流を認めるタイプ。

・偽腔が血栓化していても血流が確認できれば、開存型。

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症例 40歳代男性 下腹部痛

aortic dissection

偽腔開存型大動脈解離の実際のCTの画像をスクロールしながら見てみる。

 

偽腔閉鎖型

・血栓で充満しており、偽腔の造影効果がないもの。

・明らかな内膜裂口を認めないもの=intramural hematoma:壁内血腫と同義、ならびに内膜裂口は存在するものの画像からは確認できないもの。dissec2

症例 40歳代男性

aortic dissection1

ULP型

・内膜が欠損しULPを認めるが、偽腔内には血流が確認できないもの。

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症例 60歳代男性

Ulcer like production

偽腔閉鎖型大動脈解離の実際のCTの画像をスクロールしながら見てみる。

 

大動脈解離のCT所見:評価項目はこれ!

  • 解離の存在診断
  • 偽腔の血流状態の評価
  • 解離の形態および進展範囲、特に上行大動脈の解離の有無。
  • entry(内膜裂口(入口部))/re-entryの同定
  • 大動脈弁への解離波及の評価
  • 合併症(破裂、心タンポナーデ、大動脈の主要分枝閉塞による臓器虚血など)の有無
  • Adamkiewicz動脈の評価。

に関して評価を行い、緊急手術の適応があるかどうかの判断する。

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