大動脈解離の発症時期のCT画像からの推定
- 急性期では剥離内膜は薄く、拍動で揺れ動き、motion artifactにより二重に見える。
- 急性期の場合は動脈の横断面は丸く、本来の動脈の形をしている。
- 慢性期には剥離内膜は厚くなり「直線化」する。真腔は小さく、偽腔が大きく、動脈の断面図は全体としてはダルマ状になるものもある。
- 急性期の経過観察では、胸水や下行大動脈周囲の無気肺といった付随的な所見をよく認め、これも急性期・慢性期の鑑別に役立つ。
▶動画で学ぶ大動脈解離の急性期と慢性期の違い
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一つお伺いしたいのですが大動脈解離の発症時期の推定について急性期には剥離内膜がモーションアーチファクトにより二重に見えるとありますが先生が載せていただいた動画にて半年後の画像でも二重に内膜が見える箇所があるのですが今ひとつ区別がつきません。ご教授ねがえますでしょうか。
コメントありがとうございます。
>動画にて半年後の画像でも二重に内膜が見える箇所がある
おっしゃるように二重に見える部位ありますね。
半年後も偽腔が開存した状態ですので、そのように見えるのだと思います。
この場合は、半年後は真腔がさらに小さくなり直線化しているという点で慢性期と鑑別してください。