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反復性肩関節脱臼

recurrent dislocation of shoulder joint1

  • 肩関節(肩甲上腕関節)は大きな可動性を有する一方で、脱臼を来しやすい関節の一つ。
  • 前方脱臼、後方脱臼、垂直脱臼に大別され、前方脱臼が95%で最多。
  • 半数以上が30歳以下。若年者ほど再発が多く、20歳以下の90%に再発する。
  • 通常は、外傷による1回の大きな外力で前方脱臼が生じた際に、前下方関節唇-靭帯複合体に損傷(Bankart lesion)が生じる。前方支持機能不全により、反復性前方脱臼に移行する。
  • 反復性肩関節脱臼とは2回以上の脱臼の既往があるもので、15−30歳代に多い。
  • 上腕の外転・外旋位で、上腕骨頭が前下方に脱臼をきたしやすい。
前方脱臼の合併症
  • Hill-Sachs lesion
  • Barnkart lesion
  • 大結節骨折、小結節骨折、上腕骨頸部骨折
  • 腱板損傷
  • 神経損傷(特に腋窩神経)

Bankart lesionとHill-Sachs lesion

  • Hill-Sachs leison:脱臼時に骨頭の外側後部が関節窩前下縁に衝突して生じる陥没骨折。
  • 骨性Bankart lesion(osseous Bankart lesion)関節窩前下縁に骨損傷(欠損、遊離骨片など)をきたしたもの。骨折がないタイプもある。その場合は健側と比較しないと診断できないので注意。

※これらは作用反作用の結果。

Bankart-lesion-Hill-Sachs-lesion

Bankart lesion

2種類ある。

  • 関節窩前下部の関節唇剥離(古典的Bankart lesion、soft tissue Bankart lesion)
  • 関節窩の骨折(骨性Bankart lesion,osseous Bankart lesion)
古典的Bankart lesion詳細

古典的Bankart lesion=前下方関節唇の損傷+付着する前下関節上腕靭帯(関節唇~靭帯複合体)~関節包、関節窩骨膜の損傷

症例 60歳代男性

CT findings of recurrent dislocation of shoulder joint1

肩脱臼の画像所見(MRIのT2、T2*が重要)

  • 関節窩前部の骨折または関節唇前部の断裂(Bankart lesion)→関節唇の欠損、関節唇内の高信号。
    ※ただし、健常者でも関節唇内に高信号が半数近く認められ、これだけで断裂とは診断できない。
  • 関節包の断裂や剥離。
  • 上腕骨頭後外側の圧迫骨折(Hill-Sachs lesion)
    ※Hill-Sachs lesionを評価する場合、上腕骨頭の後ろ外側に存在する正常の溝を誤って病変としないように注意する必要がある。正常の溝より上方に存在し、3mmから5mmのスライス厚を用いたスキャンでは最初の2-3スライス目に現れることがポイントである。
症例 40歳代男性

CT and MRI findings of recurrent dislocation of shoulder joint1

関節唇前上部は正常変異多い

  • 関節唇前上部(12時から3時方向)は正常変異が多く無視してよい
  • superior labrum both anterior and posteriorのうち、anteriorは無視する。安易にSLAP lesionとは書かないこと。

復習

  • SLAP lesionは関節唇上部
  • Bankart leisonは関節唇前下部。

関節唇下間隙(superior sublabral recess):関節唇上部損傷(SLAP lesion)との鑑別が問題となる。線状で平滑なら正常。正常変異。

関節唇下孔(sublabral foramen=sublabral hole):完全に関節唇が関節窩から離断しているもの。

Buford complex:関節唇前上部の欠損と索状の中肩甲上腕靭帯が併存しているもの。

その他チェックポイント

  • 下関節上腕靭帯(AIGHL)は外転外旋位での安定化機構であり、Bankart lesionでは同部位も損傷されるため、反復性肩関節脱臼という悪循環の原因となる。
  • AIGHLの連続性や太さなどもチェックする。

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