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真珠腫性中耳炎の分類は?

Cholesteatoma classification

真珠腫は先天性、後天性にまず分けられる。

後天性は、

  • 上鼓室型(弛緩部)真珠腫
  • 癒着型(緊張部)真珠腫

という一次性真珠腫と、二次性真珠腫(鼓膜の穿孔縁より鼓膜または外耳道上皮が中耳に侵入して形成される真珠腫)にさらに分けられます。

臨床的に重要な真珠腫としては、上鼓室型(弛緩部)真珠腫と癒着型(緊張部)真珠腫です。

上鼓室型(弛緩部)真珠腫

Cholesteatoma figure1

上鼓室の耳小骨外側(Prussak腔)にまず真珠腫が形成されます。

鼓膜弛緩部のpocket formationに伴って発生すると考えられています。

症例 50歳代 男性

cholesteatoma CT findings2

左の鼓膜の肥厚及び、Prussak腔の軟部陰影を認めています。
上鼓室型(弛緩部)真珠腫に矛盾しない所見です。

cholesteatoma CT findings3

右側においてもPrussak腔の軟部陰影を認めています。
鼓室天蓋の軟部陰影。頭蓋骨は菲薄化〜脱灰を認めています。
上鼓室型(弛緩部)真珠腫に矛盾しない所見です。

耳鏡所見と合わせて、両側の上鼓室型(弛緩部)真珠腫と診断されました。

症例 60 歳代の男性。左耳漏。

Cholesteatoma otitis media2011年放射線科診断専門医試験問題14より引用。

鼓膜の上部から鼓室上部に軟部陰影あり。
耳小骨はあぶみ骨およびきぬた骨の一部を残して脱灰ありか。
上鼓室型(弛緩部型)真珠腫を疑う所見。

癒着型(緊張部)真珠腫

Cholesteatoma figure2

鼓膜緊張部が鼓室の岬角に癒着し、後鼓室の顔面神経陥凹近傍にまず真珠腫が形成されることが多いタイプです。

真珠腫性中耳炎の画像所見は?

真珠腫性中耳炎の画像所見で着目すべきポイント

  • 真珠腫の大きさ
  • 進展範囲
  • 骨破壊の程度
  • 鼓室、特に上鼓室のmass
  • 外耳道骨欠損の有無と程度
  • 乳突洞と蜂巣の発育程度
  • 鼓室・乳突洞・乳突蜂巣の病的陰影と含気性
  • 頭蓋底骨破壊の有無
  • 迷路瘻孔の有無
  • 耳管の開存程度

真珠腫の診断では骨変化の評価が重要

  • 耳小骨
  • scutum
  • Prussak腔をはじめとする鼓室壁
  • 乳突洞口
  • 鼓室天蓋
  • 骨迷路
  • 顔面神経管

※真珠腫の内容が自然に排出され、周囲の母膜のみが残る場合がある、CT上は乳突洞削開術後に類似した鼓室壁の変化が認められる。Spontaneous mastoidectomyあるいは、automastoidectomyとよばれている。

真珠腫における耳小骨

上鼓室型 癒着型
破壊・脱灰 ツチ骨頭部やキヌタ骨体部 キヌタ骨の長脚および豆状突起
伝音性難聴 75% 90%
偏位 内側へ 外側へ

※耳小骨の偏位は、早期真珠腫の所見として重要である。

真珠腫の主たる合併症

  • 耳小骨の脱灰、破壊
  • 迷路瘻孔および迷路炎
  • 顔面神経麻痺
  • 頭蓋内合併症(髄膜炎、脳炎、脳膿瘍、静脈洞血栓症)

術後の評価

  • 削開腔の含気の評価
  • 耳小骨連鎖の評価
  • 異常軟部組織の有無および性状
  • 顔面神経の状況
  • 内耳の評価

※真珠腫の再発と遺残は区別して考える病態であるが、両者の鑑別が困難な場合も少なくない(特にCTにおいては)。

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