
【頭部】TIPS症例37
【症例】12歳 男性
【主訴】転倒・左後頭部打撲
【現病歴】4時間前に自転車で自己転倒して、左後頭部を打撲した。その後嘔吐あり。
【既往歴】なし
【身体所見】瞳孔正円・同大、口角挙上・挺舌に問題なし。四肢挙上に問題なし。握力左右差なし。
画像(骨条件のみ)はこちら
斜台に骨折線がある?ない?
矢状断像がわかりやすいです。
蝶形骨と後頭骨の間に間隙があります。
骨折線でしょうか?
ではなく、成人ではこの境界は不明瞭化するのですが、小児期には軟骨結合が残存して認められます。
これを、蝶後頭軟骨結合と言います。
18〜20歳で化骨すると言われています。
診断:蝶後頭軟骨結合(骨折ではない)
化骨した症例を見てみましょう。
参考症例 27歳 男性 スクリーニング
蝶形骨と後頭骨の間に間隙は消失していることがわかりますね。
※この蝶後頭軟骨結合は、脊索腫という腫瘍の好発部位としても知られています。
【頭部】TIPS症例37の動画解説
お疲れ様でした。
今日は以上です。
今回の気づきや感想などを下のコメント欄にお願いします。
はじめて知りました。ありがとうぎざいます。寛骨のY字軟骨(腸骨・恥骨・座骨の結合部)みたいなものなんですね。大人になると一枚岩になるのでわからないですね。勉強になります。
アウトプットありがとうございます。
>寛骨のY字軟骨(腸骨・恥骨・座骨の結合部)みたいなものなんですね。大人になると一枚岩になるのでわからないですね
そうですね。このような部位は他にもありますが、その一例ですね。
軟骨結合が存在した部位には、軟骨由来の疾患が発生すると書籍で読んだことがあります。小児期の軟骨結合の知識も重要と思いました。
アウトプットありがとうございます。
そうですね、骨折と間違えないように注意が必要です。
違和感を感じることすら出来ませんでした。20歳くらいまでは離れていて、癒合すること自体を知っておかないといけませんね。
アウトプットありがとうございます。
矢状断像ですし、なかなか言われないとわからないかもしれませんが、TIPSとして覚えておきましょう。
こんばんは。本日もよろしくお願いします!
骨折線ではないとしたら何か?と考えて、骨の縫合線だろうと推測し、ネットで確認して解答に辿り着きました。
解剖の知識も少しずつブラッシュアップしていきたいです。
アウトプットありがとうございます。
>骨の縫合線だろうと推測し、ネットで確認して解答に辿り着きました。
検索力が相変わらずすごいですね(^^)
>解剖の知識も少しずつブラッシュアップしていきたいです。
そうですね。小児と成人では、異なる部位があるので注意ですね。
今日もありがとうございます。
結合部の断面が綺麗だったので骨折では無さそうだなと思いつつ蝶後頭軟骨結合の存在を初めて知りました。
アウトプットありがとうございます。
>結合部の断面が綺麗だったので骨折では無さそうだな
そうですね。形態から少なくとも急性期の骨折ではない!と言えることが重要です。
骨折ではないとはわかりましたが、名前までは知りませんでした。
いつも勉強になります。
有難うございます。
アウトプットありがとうございます。
名前までは覚える必要はないかもしれませんね。
病的ではないということがわかればOKです。
これまで全く気づきませんでした。あまり若い人の頭部CTを見る機会が少ないからかもしれませんが。
アウトプットありがとうございます。
>あまり若い人の頭部CTを見る機会が少ないからかもしれませんが。
若い人でかつ、矢状断像を見る機会は少ないかもしれませんね。
救急で若い方が来られたら是非矢状断像を作って見てみてください。