
【頭部MRA】症例24
【症例】80代女性
画像はこちら
左の前大脳動脈の遠位部(A3)と連続して2つの分葉状の高信号腫瘤を認めており、動脈瘤が疑われます。
左の前大脳動脈遠位部と連続して6-7mm大の2つの分葉状の動脈瘤認めており、両者は連続しているようにも見えます。
動脈瘤はT2WIでもflow voidとして無信号として指摘することができます。
診断:前大脳動脈遠位部動脈瘤
※前大脳動脈遠位部動脈瘤はMRAの撮影範囲内に入っていないことがあり、T2WIのみで指摘できることがありますので注意が必要です。
【頭部MRA】症例24の動画解説
お疲れ様でした。
今日は以上です。
今回の気づきや感想などを下のコメント欄にお願いします。
撮像範囲に入ってなかったらT2見て気づかないといけないですね。こんな末梢にはないだろうとか思いがちです。MIPがあるので気づかないことはないと思いたいですが・・・先生は所見ありとして出してくれてますが、所見なしが8割ある中だったら落とさないか?身が引き締まります。
アウトプットありがとうございます。
>撮像範囲に入ってなかったらT2見て気づかないといけないですね
そうですね。T2WIのみで見つかるケースもある部位としてACA遠位を覚えておきましょう。
確かに普段見ているMRAのMIP像はこんなに遠位の動脈まで撮像されていないと思います.
MRIは一度撮像すると,撮像条件がたくさんあり,情報量が多いですがその中でも見逃さないように,こんな症例もあるんだと経験しておくことが重要な気がします.
アウトプットありがとうございます。
>情報量が多いですがその中でも見逃さないように,こんな症例もあるんだと経験しておくことが重要な気がします
そうですね。T2WIのみでしか指摘できないものもあるということを経験したことは重要だと思います。
知らないとこんなもんか、でスルーする可能性がありますからね。
動脈瘤が2個なのか、1個なのか、迷いました。元画では2個に見えますが、T2では1個のフローボイドとして見えます。
元画は「乱流の影響により2個に見えた」と考えました。
アウトプットありがとうございます。
最終的な判断はCTAや脳アンギオが必要ですね。
前回のPICA起始部と同様に、A3動脈瘤も高頻度ではないけどちょくちょく見かけるなという印象です。
MRAの撮影範囲を決めるときに、機械の特性や流入効果が許す範囲でできるだけロカライズを傾けて、A3やPICA起始部を含めるようにしています。
アウトプットありがとうございます。
>A3動脈瘤も高頻度ではないけどちょくちょく見かけるなという印象
ですね。たまに見られます。
>機械の特性や流入効果が許す範囲でできるだけロカライズを傾けて、A3やPICA起始部を含めるようにしています。
好発部位を網羅した撮影ですと読影する方もありがたいですね。
T2WIのみでしか同定できないと言う状況よりは拾い上げ率が上がりそうです。
両内頸動脈の間に淡い高吸収が見えるのですが、
これは海面静脈洞内部が逆流しているため
にこう見えているのでしょうか?
アウトプットありがとうございます。
>両内頸動脈の間に淡い高吸収が見える
おっしゃるようにトルコ鞍内に軽度高信号が見えますね。
嚢胞など伴っている可能性があり、下垂体をよく見える様に撮影したいですね。
過去画像を探してみたのですが7年前に1度だけ撮影されており著変ありませんでした。
またその後は他院でフォローされており、その後の画像はありませんでした。
こんばんは。夜分に失礼いたします。
恥ずかしながら、前大脳動脈の分類を覚えておらず、A-comを境にしてA1、A2の分類しかないものと勘違いしていました(【動画解説】脳血管(動脈)の解剖を図と画像でわかりやすく!のところの解説をそのまま覚えていたみたいです)。
A3以降を分類するメルクマールはあるのでしょうか?(私のもっている神経内科の教科書にはA3は脳梁前部percallosal segment、A4が脳梁上部supracallosal segmentという風にしか記載がなくはっきりしませんでした…)。
アウトプットありがとうございます。
>A3以降を分類するメルクマールはあるのでしょうか?(私のもっている神経内科の教科書にはA3は脳梁前部percallosal segment、A4が脳梁上部supracallosal segmentという風にしか記載がなくはっきりしませんでした…)。
特にメルクマールはなく、A3以降は基本的に画像診断では必要ないと個人的に考えています。
脳血管造影では必要でしょうけど。
A2以降はACA遠位として覚えておけばよいと言う意味で動画でも解説しています。
rt.M1分岐部に外側方向に突出する像が認められますが、こちらは動脈瘤でしょうか。
先端からM2と思われる分枝がでており、漏斗状拡張かとも思いましたが今までのシリーズで見てきたものとは部位も形も異なるので気になりました。
アウトプットありがとうございます。
MIPではちょっとわかりにくいですが、元画像でよく見ると蛇行しているようですね。
動脈瘤や漏斗状拡張ではなさそうです。
今回は、MIP像で描出されていた為動脈瘤を指摘出来ましたが・・・。MRA撮影前にT2WIをしっかり確認しようと思いました。今までflow voidと言ったら、データが取れないところみたいな感じで軽く見ていました。
アウトプットありがとうございます。
MIP像で描出されていない場合は見落としそうですよね。
T2WIやCTで発見される動脈瘤もあることを覚えておきましょう。
48-55/133にかけて右の内頸動脈に小さい動脈瘤があると思ったのですがこれは違いますでしょうか?左と比べると左右差があるように思えたのでそのようにとってしまいました。
アウトプットありがとうございます。
ちょっと微妙ですが、確かに前方に小さな突出があるようにも見えます。
どこまで取るかにもよりますが、フォローしてもいいかもしれません。
T2WIで内腔が淡く信号を認めたために、無信号のflow voidというよりも、解離腔を見ているように思ってしまったのですが(最近解離をやったのに引っ張られてるとこもありますが…)画像診断として、今回解離は鑑別として挙げなくてよいものでしょうか?
そもそも画像の捉え方が間違っていますでしょうか…?ご教示お願い致します。
調べてみるとACA解離の場所としてはA2がほとんどのようで、頭痛や梗塞(特に若年の)などの病歴があれば、鑑別に挙げるべきとのことでした。
アウトプットありがとうございます。
今回は解離にしてはかなりサイズが大きい点が非典型的ですが、解離も考える必要はあります。
>T2WIで内腔が淡く信号を認めたために
内部で乱流があるためと考えられます。
いつもお世話になっております。
異常所見ではありませんが、両側P1が低形成の様なので、両側胎児型PCAで正しいでしょうか?
アウトプットありがとうございます。
>両側P1が低形成の様なので、両側胎児型PCAで正しいでしょうか?
おっしゃるとおりです!