
【頭部MRA】症例15
【症例】50歳代 女性
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どんな血管の正常変異がありますか?
左の内頸動脈(ICA)の末端部に窓形成を認めています。
また、両側の内頸動脈(ICA)のサイフォン部を中心に広狭不整を認めています。動脈硬化による変化が疑われます。
さらに、左の中大脳動脈のM2分岐部には狭窄を認めています。
診断:左内頸動脈窓形成
※左内頸動脈窓形成があること、左中大脳動脈および両側内頸動脈サイフォン部に狭窄があることがわかればOKです。
【頭部MRA】症例15の動画解説
お疲れ様でした。
今日は以上です。
今回の気づきや感想などを下のコメント欄にお願いします。
左早期二分後大脳動脈の部分ですが、元画で見ると1本はSCA、1本はPCAに見えるのですがどうでしょうか?
アウトプットありがとうございます。
おっしゃるとおりでした。
修正しました。動画も差し替えました。
が、眼科に行ってきます(^_^;
動画解説が張り付いていませんので、確認お願いします。
ご指摘ありがとうございます。
動画埋め込みました。
窓はよく見るとMCAではなくICAでした。
PCAの早期分岐に気が付きませんでした。SCAも紛らわしいですし相当意識しないと見逃してしまいそうです。
アウトプットありがとうございます。
>PCAの早期分岐に気が付きませんでした。
気付きませんか? よーく見ると・・・・。ないですね。
修正しました(^_^;
左の後大脳動脈の分岐は気付けませんでした.
アウトプットありがとうございます。
そうですか。まだまだ訓練が足りないですね(違)
気付かなくて正解です。
この解答を作っていたときの私には見えていたようです。
改めて見るとないですね(^_^;
MRAでの狭窄はどの程度から有意狭窄、CTAでの精査を進めればよいでしょうか? ICAサイフォン部の狭窄はよくありますが、精査すべきなのか、要治療対象とするのでしょうか?
アウトプットありがとうございます。
>MRAでの狭窄はどの程度から有意狭窄、CTAでの精査を進めればよいでしょうか?
どの程度からというのは客観的な指標がないので非常に難しいところですが、左右差や前後の血管との比較で狭窄があれば所見として拾います。
動脈硬化が強くて全体的に広狭不整な場合もあり、その場合もその旨を記載します。
CTAや血管造影での精査が必要かどうかは程度にもよると思いますが、基本は症状があるときになると考えます。
症状がなくても慢性的に片側の血流が少ないであろうと推測できるような脳萎縮、白質変性、陳旧性脳梗塞などが見られた場合は、脳血流シンチなどで精査されることもありますね。
窓形成は基本的にどの動脈でも生じうるのでしょうか?(脳底動脈近位部に生じやすいようですが・・・)
また窓形成を指摘する意義は、窓部位に脳動脈瘤ができやすいことと解離ではないと伝える為で良いでしょうか?
教えてください。
アウトプットありがとうございます。
おっしゃるように、主幹動脈(ACA,MCA,PCA,ICA,VA,BA)には生じえます。
A-comにもできると記載があります。
>また窓形成を指摘する意義は、窓部位に脳動脈瘤ができやすいことと解離ではないと伝える為で良いでしょうか?
正常変異ですので、ぶっちゃけあまり意義はありません(^_^;
所見にも記載しないでもいいかもしれません。
脳底動脈の窓形成は近位部に動脈瘤ができることがあると記載がありますが、見たことはありません・・・
ただ、こんな正常変異もある、有意所見ではないと言うことを知っておくことは意義がありますね。
いつも勉強させていただいております。
今更ですが、前大脳動脈が分岐する手前までを内頚動脈、分岐してからが中大脳動脈だということをしっかり認識できました^^;
アウトプットありがとうございます。
そうですね。大事なところです。
まさかICAにまで窓が形成されないよな、、と思ってスルーしてしまいました。
左PICAの描出が乏しいように思えるのですが、低形成でしょうか?
アウトプットありがとうございます。
>左PICAの描出が乏しいように思えるのですが、低形成でしょうか?
そうですね。
AICA、PICAは相補的でしばしば片一方がはっきりしないことがありますので覚えておいてください。
いつもとても勉強になっています。
MIP像で窓形成を疑いましたが自信がなく、元画像ではっきり見つけられなかったのでないと判断してしまいました。
元画像での窓形成を判断できるスライスを教えていただけないでしょうか。
アウトプットありがとうございます。
>元画像での窓形成を判断できるスライスを教えていただけないでしょうか。
70-72/120あたりに確認できます。
窓形成の場合、前後方向に窓形成をしている場合は元画像で確認しやすいですが、上下方向の場合は確認しにくくMIP像で確認しやすいですね。
最も有名なのが脳底動脈の窓形成ですが、こちらは通常上下方向に作るので、MIP像の方が確認しやすいです。
同様に動脈瘤においても、上下に突出しているものは、元画像で見落としがちなので注意が必要ですね。
いつもありがとうございます。
中大脳動脈重複起始にみえてしまいました。
内頸動脈窓形成との区別の方法はあるのでしょうか。
どうぞよろしくお願いします。
アウトプットありがとうございます。
内頸動脈から前大脳動脈を分岐したあとが中大脳動脈となりますので、今回窓形成しているところは内頸動脈となります。
返信ありがとうございます。
内頸動脈から分岐して、ACAがでたあとのMCAについているように見えます。
中大脳動脈破格の6種類のシェーマをみると、中大脳動脈重複起始のようにもみえてしまいました。
内頸動脈から分岐して、ACA分岐前の内頸動脈で合流しているのでしょうか。
何度もすみませんがどうぞよろしくお願いいたします。
こちらの位置関係になります。
https://xn--o1qq22cjlllou16giuj.jp/training/wp-content/uploads/2021/11/ICA-fenestration.png
窓形成しているのはACAを分岐する前ですのでICAでよいと思います。
ありがとうございました!