
症例15
【症例】60歳代男性
画像はこちら
腹部に入っているチューブはなに?
原疾患は不明ですが、左腎萎縮を認め、30年以上前に左腎摘が行われています。
また右腎にも萎縮を認めていることがわかります。
腎不全と診断されている方で、1年前より腹膜透析が導入されています。
約2年前にSMAP法という方法で、腹膜透析カテーテル挿入術が施行されています。
つまり、腹腔内に認めているチューブは腹膜透析用のチューブということです。
診断:腹膜透析用のチューブ
参考:腹膜透析(慶應大学病院HP)
その他所見:
- 右腎萎縮あり。
- 結腸憩室あり。
お疲れ様でした。
今日は以上です。
今回の気づきや感想などを下のコメント欄にお願いします。
「腹腔ドレーン」としてしまいました。
「それにしては、かなり奥までしっかり入ってるなぁ~」という疑念はもちつつ(;’∀’)
やっぱり、腹膜透析のカテーテルは、どれもしっかり骨盤底まで入っていますか?
逆に(他にも見分け方はたくさんあるのでしょうけれど)、腹腔ドレーンは腹壁の近くに置かれることがほとんどですか?
アウトプットありがとうございます。
>腹膜透析のカテーテルは、どれもしっかり骨盤底まで入っていますか?
そうですね。基本奥まで入っており、ダグラス窩に置かれていることが多い印象です。
https://www.baxterpro.jp/pd/catheter
にもあるようにDouglas窩におくものなのでしょう。
これも初めて見ました。
している患者様を見た事がないです。
こういう症例はありがたいです。
需要があってよかったです。
基本的なものからマニアックなものまで挙げて行きたいと思います。
お世話になっています。
画像上、手術痕がなく、「左腎摘出」「右腎萎縮」より透析の可能性を疑って見ました。
過去の症例より、TIPSでも、所見を丁寧に拾うことで「ヒント」があることを学びました。
そうですね。所見を丁寧に拾うことでいろんなことが繋がってきます!
最近よくわからないCTでも周りの臓器に何かヒントはないかと探すようになってきました.
この講座のおかげです.
それはよかったです。ありがとうございます。
見たことがあったので今回は迷いませんでしたが、
逆に、そう頻繁に見るものでもないので、いい復習になったと思います(^▽^)/
需要があってよかったです(^o^)
いつも貴重な症例ありがとうございます。
透析に従事していますが、腹膜透析のチューブがダクラス窩まで挿入されているとは知りませんでした。これを機に復習したいと思います。
アウトプットありがとうございます。
>腹膜透析のチューブがダクラス窩まで挿入されているとは知りませんでした。
実際に手技をする主治医や画像を見る人しかわからないかもしれませんね。
ぜひ覚えておいてください。
初め見た時には??と思いましたが、左腎が無いこと、右腎も萎縮していることから、もしかしたら腹膜透析をしている方かな、という思考にいたって正解にたどり着きました。ダグラス窩まで挿入されているとは知りませんでした。勉強になりました。
アウトプットありがとうございます。
>もしかしたら腹膜透析をしている方かな、という思考にいたって正解にたどり着きました。
グッジョブです!
勉強になってよかったです(^^)
腹膜透析とか、初めて聞く用語でした。なかなか見ない画像ですが、一度でも見ておくと何かあったときに可能性として考えることが出来ると思うので、有り難いです。
アウトプットありがとうございます。
そうですね。一度経験しておくと次に可能性を考えられますね。
腎臓の形態に加えて、チューブの先端がどこにあるかや、腹膜炎などを起こしていないかなども併せて見るようにしましょう。
昔は、よく入れました。局所麻酔で挿入できます。L型のスタイレットを使って挿入し、肛門部が痛い!と言ったらダグラス窩に入っていることになります。変なところに入ってると、透析効果が悪いようです。
貴重な体験談ありがとうございます。
>肛門部が痛い!と言ったらダグラス窩に入っていることになります。
そうなんですね。知りませんでした。勉強になりましたm(_ _)m
ドレーンと答えてしまいました。ドレーンにしては皮下を通す距離が長すぎるなと思いつつ、他に見当がつきませんでした…
他の方のコメントにもありましたが、丁寧に画像を見ていく事でこの人がどんな状態かを考える事が大切なんだなと思いました。勉強になります。
普段手術でテンコフカテーテル挿入につくことがありますが、まさかダグラス窩に入っているとは思いませんでした。勉強不足反省します。
アウトプットありがとうございます。
>他の方のコメントにもありましたが、丁寧に画像を見ていく事でこの人がどんな状態かを考える事が大切なんだなと思いました。勉強になります。
病歴を確認することがまずは大事ですが、画像からでもどういった背景があるのかわかることがあるということですね。
新年からの画像提供ありがとうございました。
最初はデンバーシャントかV-Pシャントかと思いましたが、腹腔外に連続していること、腹水貯留がないことから違うと思って腹膜透析チューブと考えました。
アウトプットありがとうございます。
はずかしながら、デンバーシャントという言葉を初めて知り、検索しました。
難治性腹水を上大静脈に送るのですね。
勉強になりました。
17-20枚目のスライスのあたりで腹膜が肥厚しているように見えるのですが、腹膜肥厚ありと取っても良いのでしょうか?
アウトプットありがとうございます。
腹膜ではなく横隔膜が見えています。
今回も大変勉強になりました。
腹膜透析の方のCTは初めて見ました。
周りの所見も併せて考えていくことがヒントに繋がるんですね。
これからもご指導お願いします。
アウトプットありがとうございます。
>周りの所見も併せて考えていくことがヒントに繋がるんですね。
そうですね。今回ですとチューブだけでなく、どういう状態なのかを観察するようにしてください。
いつも貴重な症例で勉強させて頂きありがとうございます。周りの所見と併せて患者の状態を考えること、、本当に大事ですね。
解説内の用語についてですが、
チューブ先端の位置は、男性の場合はDouglas窩(直腸子宮窩)ではなく膀胱直腸窩の方がより適切か、、と思いました。現場では区別しないことも多いですが^ ^;
アウトプットありがとうございます。
>男性の場合はDouglas窩(直腸子宮窩)ではなく膀胱直腸窩の方がより適切か、、と思いました。
そうですね。これについては、以前もお一人指摘される方がおられました。
「Douglas窩=直腸子宮窩=女性に対して用いるもの」なので、男性に用いるのはおかしい、ギャグですか?的な感じでいただいたことがあります。
ただし、おっしゃるように現場では区別しないことが多く、教科書などにも普通に男性例でDouglas窩と記載があるので、私は区別しておりません。
所属されている職場などでもどの用語を使うかは分かれそうですね。
上司がDouglas窩=直腸子宮窩だろ!としつこければ、私も適切に使い分けると思いますが(^_^;)