壊死性筋膜炎とは?
- 蜂巣炎に似た皮膚の発赤、急速に進行する腫脹、疼痛、発熱、皮膚の黒色壊死、ショック
- 創部からのプツプツという空気音などを呈する場合は壊死性筋膜炎の可能性を検討する。
※特に会陰部(肛門周囲など)や下肢の創傷処置時には創部のプツプツ音に注意する。
- ガス産生を少しでも疑った場合は、専門医コンサルト。
- 起炎菌:A群β溶連菌(急速進行)、好気性+嫌気性の混在(高齢者、DM患者)、クロストリジウム属(汚染創)、ビブリオバルフィニカス(肝硬変患者)
壊死性筋膜炎の治療は?
- 起炎菌を推定し、迅速に抗生剤投与と外科的デブリードマンをする。
推定起因菌 | 抗菌薬の種類 |
Streptococcus属 | ペニシリンG®+クリンダマイシン |
好気性菌+嫌気性菌 | カルバペネム系 |
Clostridium属 | ペニシリンG®+クリンダマイシン |
Vibrio vulnifics | テトラサイクリン系+セフタジジム |
救急外来で蜂窩織炎,壊死性筋膜炎を疑ったときにCTをよく撮るのですが何に着目すればいいのかわからず,漫然とルーティンで撮ってしまっています.ガス産生がないかだけ見ているのが現状です.何か着目点などあれば教えてください.
コメントありがとうございます。
ガス産生は9割で認めると言われ、非常に重要な所見です。
その他、
・皮下脂肪織濃度上昇
・筋膜の肥厚
・筋肉内の脂肪織濃度上昇
と言った点に着目します。
皮下の脂肪織濃度上昇は蜂窩織炎でも認めますが、壊死性筋膜炎の場合は、筋肉の表層や内部にも脂肪織濃度上昇を認める点が重要です。