緊急処置が必要な四肢外傷
- 開放骨折
- 転位の大きい骨折・脱臼
- 神経血管損傷の合併
- Compartment症候群の合併
- degloving損傷(回転機械などで手袋を脱いだように皮膚が剥離する外傷)
緊急処置を要さない四肢外傷への処置
RICE+外固定が基本!!
RICEとは?
- Rest(安静)
- Icing(氷冷)
- Compression(圧迫)
- Elevation(挙上)
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外固定は良肢位が基本
- 肩関節:外転10~30°(屈曲・回旋は手が顔にとどく角度)
- 肘関節:屈曲90°
- 前腕:回内・回外中間位
- 手関節:背屈10~20°
- 股関節:屈曲10~30°。内転・外転間位。外旋0~10°
- 膝関節:屈曲10°
- 足関節:背屈・底屈0°
※四肢遠位部の循環動態を確認するため指趾先端を出す。
診察すべきことは?
- 腫脹
- Pain(疼痛、圧痛)
- Pallor(蒼白)
- Pulselessness(脈拍欠損):末梢の循環障害
- Paresthesia:知覚(sensory)障害
- Paralysis(麻痺):運動(motor)障害
の有無をチェック。5Pの症候が多いほど血管・神経損傷を合併している可能性が高い。
検査すべきことは?
・疼痛、腫脹部位を中心にX線をオーダー
※2方向以上で撮影。
※小児では骨端線が閉鎖していないので両側撮影して健側と患側を比較する。
※関節内骨折を見落とさないために、両端の関節を含めて撮影する。
Compartment症候群とは?
・外傷や圧迫により筋区画内圧が上昇して内在する血管・神経損傷を生じるもの。
・下腿に多いが、前腕、上腕、大腿でも起こりえる。
・診断は、5Pが存在する場合疑い、筋膜内圧を測定して40mmHg以上で診断。
・治療は、緊急筋膜切開。