CT造影剤(ヨード造影剤)はどれくらいで体外に排泄されるか?
- 腎機能が正常ならば、2時間で60%、6時間で80%、24時間でほぼ全量が尿中に排泄される(放射線科3(3):200-213(1984))。
- 腎機能障害、腹膜透析患者、高齢者では、これに比べて遅延する。
- 腎機能障害の場合、腎機能の程度に応じて造影剤の尿中排泄量が低下する(Arzneim-Forsch/Drug Res40(Ⅱ):830-832(1990))。
造影検査後に排泄を促進する方法は?
- 補液もしくは飲水。水分制限のない患者さんなら、通常よりコップ1〜2杯の水分を多めに摂取するようにする。
- 血液透析患者ならば、4時間程度の1回の血液透析で、造影剤投与量の60〜80%が除去される。造影検査直後に必ずしも透析を行なう必要はないとも言われる。
- 腎機能障害のある患者さんでは、腎機能温存目的で一時的な血液透析は必要か?→推奨しないとされている。
CT造影剤(ヨード造影剤)は腎臓以外に排泄されることがある?
- ヨード造影剤を投与した場合、胆嚢や消化管に排泄されることがある。
- ただし、原因は明らかになっていない。
- 胆道系への排泄は、造影剤の蛋白結合能(Am J Roentgenol87:338-360(1962))、分子量や浸透圧(日本医学放射線学会雑誌 52(9):1281-1286(1992))が関与していると言われている。
症例 70歳代女性 初回造影CT後15時間後に単純CTを撮影
造影CTを撮影したときには胆嚢内に造影剤は認めませんが、15時間後に撮影した単純CTでは胆嚢内に造影剤を認めております。
ヨード造影剤の胆道への排泄の所見です。