先に結論:造影CTと同じ日に他の検査があるとき
| 検査 | おすすめの順番・注意 |
|---|---|
| 血液検査・尿検査 | 造影剤が検査値に影響しうるため、造影CTの前に採血・採尿。後になる場合は腎機能に応じて時間を空ける |
| MRI | ヨード造影剤が信号に影響しうるため、MRI→造影CTの順。造影MRIとの同日は可能なら避ける |
| 超音波 | 影響の報告なし |
| レントゲン(単純X線) | 互いに影響なし。ただしバリウム検査(胃・大腸の透視)はCTの後に |
| 核医学(シンチ) | シンチ→造影CTの順。甲状腺シンチ・放射性ヨウ素治療は造影後2か月程度空ける |
| 造影CTのやり直し | 腎機能が正常(eGFR 60以上)なら12時間空ける(急ぐときは最短4時間)。腎機能が低いほど間隔を長くとる |
造影CTと他の検査が同日にあるとき及ぼす影響とは?
血液検査
・ヨード造影剤を投与した直後には、Ht, Hb, RBC, WBC, Pltなどの値が一時的に低下したとの報告がある。
・造影剤が測定に干渉することもあり、ESURなどの合同ガイドラインは血液・尿検査を造影検査の前に行うか、採取を遅らせることを勧めている(van der Molen 2024)。eGFR 60以上なら採血は4時間以上(できれば12時間)、採尿は24時間以上空け、腎機能が低いほど長く空ける(同)。
・なので、採血をするなら、造影CT前がよい。
MRI検査
・ヨード造影剤は濃度依存性にT1短縮効果、T2短縮効果を示すと言われる。
・実際に、造影CT後のMRでT1強調像で高信号を示したとの報告あり。
・造影剤が体から抜けるまでは影響が残りうるため、造影CT後にMRを撮影する場合は、同日検査は避けた方が良い。単純MR→造影CTの順番で撮影すればよい。
・造影MRならば、異なる造影剤を同日に使うことになるので、可能な限り同日検査は避ける。
超音波検査
・問題となるような影響を与えたという報告はない。
核医学検査
・甲状腺シンチの場合は、ヨード造影剤を使用すると、ヨードの取り込みが低下するため、一定期間(2か月程度)空ける必要がある(放射性ヨウ素内用療法も同様)とされている(van der Molen 2004)。
・骨シンチに影響を与えた(骨への集積低下、軟部組織への集積増加)という報告もあり、同日施行は避ける。一方で影響はなかったとする報告もある。骨シンチで腸に薬剤が写った44人中40人(90.9%)が同じ日に造影CTを受けており、写らなかった人(26.7%)より多かった(Kim 2016)。
・同日に施行する場合は、シンチ→造影CTという順番にする。
造影CTを施行したがタイミングが合わないなどでもう一度やってもいいか?
・ESUR造影剤安全性委員会の2023年改訂指針では、腎機能が正常(eGFR>60mL/min/1.73m²)なら、前回のヨード造影剤がほぼ排泄される12時間空けるのが最適で、臨床的に急ぐ場合は最短4時間でよいとされています。腎機能が低いほど間隔を長くとります。
・ヨード造影剤投与後の腎機能の低下(PC-AKI)は多くは軽く、2〜3日でピークとなり、1〜3週間で元に戻ることが多い。またESURの指針では、短期間(48〜72時間)での造影剤の繰り返し投与は避けるべきとされている(van der Molen 2018)。
・ただし、実際体内に入った造影剤量や、腎機能によって対応は異なる。なお、ESURの改訂ガイドラインでは静注ヨード造影剤による急性腎障害(PC-AKI)のリスクはこれまで過大評価されてきたとされ、重要な危険因子はCKDと脱水である。米国放射線医学会(ACR)と米国腎臓財団(NKF)の2020年の合同声明も、静注ヨード造影剤による急性腎障害の危険はこれまで過大評価されてきたとし、予防の生理食塩水輸液が必要なのは急性腎障害がある人と、透析をしていないeGFR 30未満の人(30〜44は個別に検討)としている。
レントゲン(単純X線)と同じ日の場合
・レントゲンとCT・MRIはお互いの画像に影響しないため、同じ日でも問題ない。ただしバリウム検査(胃の透視・注腸)の後はバリウムがCTで強いアーチファクトを起こすため、CTを先に行う。
造影剤を使った翌日に気をつけることは?
・ヨード造影剤では、1時間後〜1週間後に発疹・かゆみ・発熱などの「遅発性副作用」が起こることがあり、皮膚の反応は非イオン性モノマーで約2〜4%で多くは軽い(Bellin 2011)。気になる症状があれば医療機関に相談する。
参考文献
- van der Molen AJ, Thomsen HS, Morcos SK. Effect of iodinated contrast media on thyroid function in adults. Eur Radiol. 2004;14(5):902-7. PubMed
- van der Molen AJ, Reimer P, Dekkers IA, et al. Post-contrast acute kidney injury – Part 1: definition, clinical features, incidence, role of contrast medium and risk factors. Eur Radiol. 2018;28(7):2845-2855. PubMed
- van der Molen AJ, Dekkers IA, Geenen RWF, et al. Waiting times between examinations with intravascularly administered contrast media: a review of contrast media pharmacokinetics and updated ESUR Contrast Media Safety Committee guidelines. Eur Radiol. 2024;34(4):2512-2523. PubMed
- Davenport MS, Perazella MA, Yee J, et al. Use of Intravenous Iodinated Contrast Media in Patients with Kidney Disease: Consensus Statements from the American College of Radiology and the National Kidney Foundation. Radiology. 2020;294(3):660-668. PubMed
- van der Molen AJ, Krabbe JG, Dekkers IA, et al. Analytical interference of intravascular contrast agents with clinical laboratory tests: a joint guideline by the ESUR Contrast Media Safety Committee and the Preanalytical Phase Working Group of the EFLM Science Committee. Eur Radiol. 2024;34(7):4821-4827. PubMed
- Kim SJ, Choi JY, Lee JH, et al. Incidental 99mTc MDP uptake in the intestines and intravenous CT contrast. Nuklearmedizin. 2016;55(4):166-71. PubMed
- Bellin MF, Stacul F, Webb JA, et al. Late adverse reactions to intravascular iodine based contrast media: an update. Eur Radiol. 2011;21(11):2305-10. PubMed
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