胃癌
・分類には肉眼型分類による形態の分類と進達度の分類があり、癌の浸潤の程度によって早期胃癌と進行胃癌に分けられる。
・0-5型の分類はBorrmann分類を参考に日本胃癌学会が作成。
・早期胃癌はその進達度により定義され、大きさは無関係である。
・頻度はⅡc型が最も多く、早期胃癌のほぼ1/3を占める。
・Ⅱc型に次いで、Ⅱc混合(Ⅱc+Ⅲ、Ⅱc+Ⅱa、Ⅲ+Ⅱc)などが1/3を占める。
胃透視における早期胃癌(表在癌)の病期分類
周囲に隆起を伴う陥凹病変を見たとき・・・
中心部の陥凹が整か不整かを見る。
・整→単なる潰瘍。つまり、潰瘍面に腫瘍はない。
・不整→潰瘍面に潰瘍が存在する。sm以遠だと進行癌になる。
潰瘍面が整な場合
・潰瘍面には腫瘍はない。腫瘍は辺縁にある。
・基本はⅢ型だけど、粘膜面に凹みがあれば、+Ⅱc型となる。
・主な病変を前に書く。
潰瘍面が不整な場合
・周堤に腫瘍を伴えば、Ⅱc+Ⅱaとなるが、実際は、反応性浮腫のことが多い。
・Ⅱc病変で粘膜(m)にとどまり、周囲に反応性浮腫を伴う。=Ⅱc(m)
・Ⅱc病変で粘膜(m)にとどまるが、辺縁より粘膜下層に潜り込む=Ⅱc(sm)。これも結構ある。
周囲のひだより深さを類推する
陥凹型
・大きさ、ひだの性状、圧迫所見がポイント。
・Ⅱc型(表面陥凹型):大きさが4cmを越える例では進行癌であることが多い。ひだの集中が目立つ病変では、それぞれのひだの性状が重要となる。
- 集中するひだの先端が細まる型(先細り型)→M
- 結節状・バチ状に太まる型(太まる型)→SM
- 隣接するひだが融合する型(癒合型)→MP
※ひだが病変部でsmooth taperingして消失するのは良性所見。急に変化するのが癌の所見。
※圧迫で病変部の描出が容易な病変はSM以深であることが多い。
症例 胃角部後壁に周堤を伴う潰瘍性病変あり。
- 進行胃癌ではない。
- 潰瘍面は不整。
→baseがⅡc病変。
周囲の隆起が
- 反応性浮腫→Ⅱc
- 腫瘍によるもの→Ⅱc+Ⅱa となる。
深さはm〜sm。この症例では、低分化型と分かっており、その場合は一つより深いところまで書いておく。