偽リンパ腫
・反応性リンパ球増殖症=偽リンパ腫(Pseudolymphoma=reactive lymphoid hyperplasia,nodular lesion)
・肝偽リンパ腫は成熟リンパ球が反応性リンパ濾胞をともない増生した良性の結節性病変。間葉性腫瘍類似病変。
・形態学的に悪性リンパ腫を疑わせるようなリンパ球増殖病変を認めるも、臨床的にも生物学的にも明確な悪性リンパ腫との確定 が得がたいもの。
・皮膚、消化管、肺、甲状腺、膵臓などに発生することが知られているが、肝に発生することは稀。
・1963年にSaltzsteinにより偽リンパ腫と名付けられたが、今日では、反応性リンパ球増殖症と呼ばれようになって きている。
・原因は明らかではないが、免疫異常を背景としていることが 多い。
・組織学的には、肝に迷入したリンパ節様と表現されるような境界明瞭な単結節病変。
1.浸潤リンパ球に異型がない
2.胚中心をともなうリンパ濾胞の存在
3.形質細胞を含む炎症細胞の浸潤
4.所属リンパ節に病変がない等が特徴とされている。
・画像は、下記のように非特異的な所見であり、肝細胞癌、転移性肝癌、カルチノイド、炎症性偽腫瘍など肝多血性腫瘍との鑑別が困難な場合がある。
画像所見
・多血性腫瘤で、周囲肝実質に早期より腫瘍周囲の不整な濃染を伴うことが多い。wash outあり。
・DWIで高信号、EOB肝細胞像では造影欠損を呈する。
・大きな腫瘤の場合、腫瘍内のグリソン鞘の取り込みが画像で明瞭に描出される。
腫瘍マーカー上昇のない多血性肝肝腫瘍の鑑別疾患の一つとして認識しておく必要があります。