先に結論:肝硬化性血管腫

  • 硬化性血管腫は海綿状血管腫が変性して線維化・硝子化したもので、典型的な血管腫の見え方(強いT2高信号・辺縁からの結節状濃染)を失います
  • そのため転移性肝癌や肝内胆管癌との区別が難しく、手術で初めて診断されることも少なくありません
  • 以前の画像で典型的な血管腫だった病変が縮小・変形していれば、硬化性血管腫を考える手がかりになります

硬化性血管腫

・術前診断は困難。硬化性血管腫を示唆する所見として、地図状の輪郭、被膜陥凹、経時的な縮小、以前みられた濃染域の消失が挙げられている。THAD、辺縁の濃染、典型的血管腫と同様の結節状濃染域を伴うこともある。

・悪性腫瘍(転移性肝癌、肝内胆管癌)を否定できない。

・CT・MRIの検討では、部分的に硬化したsclerosing cavernous hemangiomaは83.3%で通常の血管腫と同じ辺縁から中心へ向かう濃染を示したのに対し、全体が硬化したsclerosed hemangiomaでは25%にとどまり、誤診率は75%でした。どちらもADC値は周囲の肝臓より高く、悪性腫瘍との区別に役立つ可能性があります(Jia 2021)。

・Sclerosed hemangioma:びまん性に硬化したもの。

・Sclerosing cavernous hemangioma:通常の海綿状血管腫が退行変性に陥り発生したもの。fibrosisは多くは中心性であり、様々な程度の間質の硬化像を認める。

Makhlouf HR, Ishak KG. Liver 2002;22(1):70-8.

症例 60歳代男性(肝硬化性血管腫)

肝硬化性血管腫 CT
引用:Koyama R et al. Int J Surg Case Rep 2019 (Figure 1)

多発胃カルチノイドの術後経過観察中のCTです。術後2年のCT(a)で肝S5にリング状に造影される腫瘤が新たに出現しており、術後1年のCT(b)では見られません。異時性の肝転移と区別が難しく、切除で硬化性血管腫と診断されました。(出典:Koyama R et al. Int J Surg Case Rep 2019, Figure 1, CC BY 4.0)

参考文献

  1. Makhlouf HR, Ishak KG. Sclerosed hemangioma and sclerosing cavernous hemangioma of the liver: a comparative clinicopathologic and immunohistochemical study with emphasis on the role of mast cells in their histogenesis. Liver. 2002;22(1):70-8. PubMed
  2. Doyle DJ, Khalili K, Guindi M, et al. Imaging features of sclerosed hemangioma. AJR Am J Roentgenol. 2007;189(1):67-72. PubMed
  3. Jia C, Liu G, Wang X, et al. Hepatic sclerosed hemangioma and sclerosing cavernous hemangioma: a radiological study. Jpn J Radiol. 2021;39(11):1059-1068. PubMed

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